日経平均見通し悪化 週次2256円下落 円高と海外投資家の売り響く
日経平均株価は今年3度目の2000円超の週次下落。円高と同時に海外投資家の売りが積み重なった。米国の8月雇用統計の悪い影響も出そうだ。
日経平均株価の見通しが悪くなっている。6日の終値は1週間前比で2256円安。週次2000円超の値上がりは2024年に入って3度目だ。値がさ半導体株がそろって大きく値下がりしており、構成銘柄の8割が下落する低調さになっている。アメリカ経済の先行き不安を背景にドル円相場での円高は一時、1ドル=141円台まで達しており、海外投資家の日本株売りも積み重なってきた。また、米国で6日に発表された8月雇用統計は硬軟入り混じった内容だったが、株式市場は悲観的な反応を示しており、日経平均をめぐる投資家心理にも影響しそうだ。
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日経平均株価は週次2000円超下落 今年3度目
日経平均(N225)の6日の終値は1週間前比で2256.28円安の3万6391.47円。週次での値下がりは4週ぶりだが、2000円を超える大幅な値下がりで直近3週間の上昇分の6割超を吐き出した。大阪取引所の日経平均先物は、7日早朝までの夜間取引を3万5150円で終えている。
週次での2000円超の値下がりは、中東情勢や半導体市場への不安が悪材料になった4月15-19日週(2455.20円安)、ドル円相場が円高方向に大きく動いた7月22-26日週(2396.38円安)に次ぎ、2024年に入って3度目だ。7月11日につけた最高値(4万2224.02円)からは13.81%の値下がりとなっており、見通しへの不安が強まっている。
円高進行で見通し悪化 海外投資家の売りも継続
日本株の見通しが悪くなっている背景には、根強く続いている円高進行の影響がある。ドル円相場(USD/JPY)は6日の東京株式市場の取引終了時点で1ドル=142円台前半で推移。日経平均が4451円値下がりした8月5日(141.66)以来の円高水準となった。米国経済悪化への懸念が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を強め、日米金利差が縮小していくとの見通しが高まっていることが要因となっている。LSEGによると、ドル円相場は6日のニューヨーク市場では一時、141.77円をつけた。
こうした円高の再進行とあわせて、海外投資家は日本株を大きく売り越しており、日経平均を押し下げている。日本取引所グループが公表している東京証券取引所と名古屋証券取引所の合算データでは、海外投資家は8月30日までの2週間で、日本株を6440億円売り越した。海外投資家は2024年1-3月期は日本株を3兆0142億円買い越し、4-6月期は1兆3056億円買い越していたが、7月以降は1兆0131億円の売り越しとなっており、潮目の変化も感じられる。
週明け9日以降の日経平均の見通しをめぐっては、米国で6日に発表された8月雇用統計に対する米国株式市場の反応が重荷となる。8月雇用統計は非農業部門の就業者数の伸びが予想を下回る一方、失業率は前月から改善するなど、良いデータと悪いデータが入り混じった内容。しかしS&P500種株価指数(SPX)は前日比1.73%安の大幅な値下がりとなり、投資家心理は悪化している。NVIDIA(エヌビディア、NVDA)をはじめとする半導体株もそろって下落しており、9日以降の日本の半導体株の値動きに影響する可能性がありそうだ。
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