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日経平均、高値崩壊 円高進行で半導体株急落 日銀利上げ見通しは重荷

日経平均株価は週次で2396円の大幅急落。日銀の利上げ見通しが重荷となった。米国の重要決算やFOMCも相場を揺らしそうだ。

日経平均、高値崩壊 円高進行で半導体株急落 日銀利上げ見通しは重荷 出所:Adobe Images

日経平均株価が最高値圏から転落した。26日の終値は1週間前比で2396円安で、2週間超にわたって維持してきた4万円台の値動きが一気に崩壊。東京エレクトロンなどの値がさ半導体株の急落が日経平均全体を押し下げた形となった。背景にあるのは、ドル円相場で一時、1ドル=151円台まで達した円高。日本銀行が30、31日の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの見通しが相場を揺らしている。30日以降にはアメリカで重要決算などが相次ぐこともあり、日経平均も落ち着かない値動きになりそうだ。

日経平均株価は週次2396円安 最高値から10.79%下落

日経平均株価(N225)の26日の終値は1週間前比5.98%安の3万7667.41円。17日から8営業日続落となり、この間の値下がり幅は3607.67円に達した。11日につけた最高値(4万2224.02円)からの下落率は10.79%だ。2日から19日まで維持していた4万円台を大きく割り込み、2月半ば以来の3万6000円台も意識される流れだ。日経平均は15-19日週も1126円の大幅な値下がりで、2週連続の急落が見通しを暗くしている。

日経平均株価と週次の騰落幅の推移のグラフ

東京エレクトロンなど半導体株が大きく値下がり

日経平均を押し下げた筆頭格は、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)だ。週次で11.37%の急落で、日経平均を347円押し下げた。また、英半導体大手アーム・ホールディングスを子会社にもつソフトバンクグループ(9984)は12.71%安、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)は10.39%安となり、やはり日経平均を大きく下押しした。

日経平均株価を動かした主な構成銘柄のランキング

半導体株の値下がりは、出遅れを取り戻してきたソニーグループ6758)やルネサスエレクトロニクス(6723)にも及んでいる。ソニーGは26日の終値で、2023年末比での伸び率が1か月ぶりにマイナスに転落。ルネサスも同様に、2か月半ぶりのマイナス圏に落ち込んだ。

東京エレクトロン、アドバンテストなど主な半導体株の値動きのグラフ

151円台まで進んだ円高が日経平均株価の重荷に

日経平均急落の背景には、ドル円相場(USD/JPY)で進む円高がある。25日には一時、1ドル=151円台をつけ、2週間で約10円も円高方向に振れた。日経平均の8日続落が始まった17日は、アメリカ大統領選挙の共和党候補、ドナルド・トランプ前大統領や河野太郎デジタル相の発言が円安是正の意図を示したとして材料視されたタイミングにあたり、円高見通しの強まりが日経平均に与えた影響の大きさがうかがい知れる。ドル円相場の26日のニューヨーク市場の終値は153.72円だった。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

こうした中で、今後の日経平均は日銀の動きで揺れ動きそうだ。日銀が30、31日の決定会合で利上げに踏み切り、今後も利上げの意思があるとのメッセージを示せば、さらに円高が進む可能性がある。LSEGのデータによると、日銀の0.1%幅での利上げについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間27日午前の段階で70%に達した。植田和男総裁は前回決定会合後の6月14日の記者会見で、7月の利上げについて「当然ありえる」と述べている

また、米国の株式市場をめぐっては30日以降、マイクロソフトをはじめとする大手ハイテク企業やアームの2024年4-6月期決算発表が予定されている。日銀の決定会合と同じ30、31日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く、米連邦準備制度理事会(FRB)の情報発信もドル円相場を揺るがすとみられ、日経平均の見通しにも影響が及びそうだ。


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