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日経平均、半導体株への期待縮小 2週続落 日銀利上げ見通し重荷

日経平均株価はトランプ氏勝利後の上昇の8割を失った。日銀の年内利上げ見通しは海外投資家の日本株離れを定着させる可能性もある。

日経平均、半導体株への期待縮小 2週続落 日銀利上げ見通し重荷 出所:ブルームバーグ

日経平均株価の牽引役が不在となっている。22日の終値は1週間前比で359円安。2週連続の値下がりで、アメリカ大統領選挙後の明るいムードが失われた。注目された米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表も追い風とはならず、日本株を引っ張るはずの半導体株への期待は縮小している。また日本経済をめぐっては日本銀行の追加利上げに向けた環境が整いつつあり、円高が進む恐れもぬぐえない。日銀の金融引き締めの流れは海外投資家の日本株離れを定着させる可能性もあり、日経平均の今後の見通しにとっては重荷となりそうだ。

【関連記事】日経平均、底打ち期待も 3週続落も割安感で粘り 円高見通し重荷(2024年12月1日)

日経平均株価は週次で続落 米大統領選挙後の上昇の8割失う

日経平均(N225)の22日の終値は週次359.06円安の3万8283.85円。エヌビディア決算を控えた警戒感があった前週(11-15日週)に続く下落となった。2週間での下落幅は約1216円で、大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利が好感された4-8日週に記録した約1446円高の8割以上を失う形となった。

日経平均株価と週次の騰落幅の推移のグラフ

エヌビディア決算で日本の半導体株は下落 AIブームへの期待は縮小か 

日経平均の失速ムードは半導体株の値動きからも感じられる。米国で20日に発表されたエヌビディアの2024年8-10月期決算は実績と今四半期の業績見通しが市場予想を超えたものの、驚異的な成長ペースが低下していく絵姿も明らかになり、20日の時間外取引ではエヌビディアの株価(NVDA)が下落した。これを受けた21日の日本市場では、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が前日比1.64%安となるなど、日経平均の足を引っ張る結果となった。

アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど日本の半導体株の値動きの推移のグラフ

一方、週次での値動きをみればアドバンテストは3.40%高。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)も0.22%安で、大崩れしているわけではない。とはいえ、エヌビディアの急成長に象徴される人工知能(AI)ブームが世界の半導体株の上昇見通しを強めるという2024年上半期までの構図の再現への期待は薄らいでいる。日経平均も上半期は18.28%高という急上昇をみせたが、直近までの下半期は3.28%安と失速している。

日経平均株価を動かした主な構成銘柄の寄与度のランキング

日銀の年内追加利上げ見通しは日経平均の重荷か 日本株離れ定着も

こうした中、日経平均に対する逆風が強まる可能性もありそうだ。金融市場では物価動向などを背景として日銀が12月18、19日の金融政策決定会合で利上げするとの見通しが強まっており、円高要因として意識される可能性がある。実際に利上げが行われれば政策金利は0.50%になるとみられ、2007年2月からリーマン・ショック後の2008年10月まで続いた0.50%と同じ水準。日銀の金融引き締め姿勢は投資家心理を冷やす可能性がある。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

日銀の追加利上げが視野に入る中、海外投資家の日本株に対する姿勢は上半期と下半期では様変わりしている。日本取引所グループが毎週公表している投資部門別の売買動向によると、海外投資家は7月1日から11月15日までの間に日本株を約3兆2000億円売り越し。上半期の約4兆3000億円の買い越しとは対照的だ。海外投資家は8月下旬から9月下旬にかけて6週連続で日本株を大きく売り越しており、日銀の引き締め姿勢が嫌気されれば買い戻しが進まないことも考えられる。

日経平均株価と海外投資家の売買動向の推移のグラフ

これに対してアメリカの株式市場ではS&P500種株価指数(SPX)の22日までの週次騰落率が2週ぶりに反発し、最高値更新が迫る。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の追加利下げが危ぶまれ始めており、やはり株価の重荷になる可能性がある。米国の株式市場の勢いが失われた場合にも、日経平均の今後の見通しが暗くなることが考えられそうだ。


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