日経平均、4万円台に照準 週次連続上昇 半導体株見通しには波乱も
日経平均株価は2週連続で上昇。終値での4万円台へ前進した。日銀の利上げ見通し後退が背景にあるが、半導体株の見通しには波乱も起こりえる。
日経平均株価が終値での4万円台回復へと歩みを進めた。13日の終値は3万9470.44円となり、2週連続の上昇。週末の終値としてはアメリカ大統領選挙直後の水準まで戻している。半導体検査装置のアドバンテストなど、値がさ株の買い戻した進んだためで、日本銀行の追加利上げ見通しの後退が影響した。ただし半導体株をめぐっては米中対立が波乱要因として意識されており、株価の先行きには不安もある。また日銀が18、19日の金融政策決定会合で利上げに踏み切った場合には、ドル円相場での円高材料となり、日経平均の今後の見通しが急激に悪化する可能性もありそうだ。
日経平均株価は2週連続で上昇 取引時間中には4万円台も
日経平均株価(N225)の13日の終値は1週間前比で379.27円高。割安感や円高進行の停止が好材料となった前週の883円高に続き、2週連続での上昇となった。13日の終値は週末としては、米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利で株高期待が膨らんだ11月8日(3万9500.37円)以来の高さだ。12日の取引時間中には4万0091.55円をつけ、10月15日以来の4万円台を回復する場面もあり、見通しは明るい。
日銀の利上げ見通しは後退 円安は153円まで進み、日経平均の追い風に
日経平均にとって追い風となっているのは、日銀の利上げ見通しの後退だ。ブルームバーグによると、投資家の動向から算出される19日までの決定会合での利上げ見通しは、日本時間14日午前の段階で15%程度。1週間前の61%程度から大きく低下している。日銀内で利上げを急ぐ必要がないとの見方が強まっているとの報道が出ているためで、株式市場では安心材料として受け止められているようだ。
日銀の利上げ見通し後退を背景に、ドル円相場(USD/JPY)では円安が進行。13日のニューヨーク市場の終値は1ドル=153.65円で、11月25日(154.23円)以来の円安水準だ。日経平均の2023年以降の上昇は円安と足並みをそろえて進んできただけに、投資家心理は上向いている。
半導体株の見通しには不安も エヌビディアの株価は米中対立不安で下落
ただ、日経平均上昇の原動力となってきた半導体株の見通しには脆さもある。中国政府は米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)に対して独占禁止法上の調査を始めたと報じられており、トランプ氏が繰り返す中国への対抗姿勢を牽制する狙いがありそうだ。米国の株式市場ではエヌビディアの株価は13日までの1週間で5.75%下落している。エヌビディアの株価急騰が象徴する人工知能(AI)ブームへの期待が縮小すれば、日本の半導体株への影響も避けられない。
一方、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日に発表した11月の総収入は前年同月比34.0%増の2760億台湾ドルで、10月の29.2%増から伸び率が加速した。ただ、10日の米国株式市場でのTSMCの株価(TSM)は前日比3.63%安。1か月前のような世界的な半導体株への悪影響は出なかったものの、半導体株の見通しを上向かせる効果はなかったようだ。
日銀が決定会合で利上げに踏み切れば、日経平均の見通し悪化も
また、日経平均の今後の見通しは日銀の意思決定で大幅に悪化する可能性もある。金融市場では利上げ観測が後退しているとはいえ、日銀の植田和男総裁は11月30日未明に公開された日本経済新聞のインタビューで利上げ時期が近づいているとの見解を示している。日銀の利上げをめぐる判断は、17、18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とともに、ドル円相場を大きく動かす要因といえ、日経平均の2025年の見通しを占う材料になりそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。