米国株、エヌビディアが重荷 S&P500反落 利下げ見通し後退も
S&P500は4週ぶりの週次下落。長期金利上昇やエヌビディアの急落が重荷だ。18日までのFOMCで下押し圧力が増す可能性もある。
アメリカの株式市場の上昇にブレーキがかかった。S&P500種株価指数の13日の終値は1週間前比0.64%安。4週ぶりの反落で、最高値から後退した。長期金利(10年物米国債利回り)が再浮上しており、株価の重荷になっている形だ。また半導体大手のNIVIDIA(エヌビディア)は週次で約6%値下がりしており、人工知能(AI)開発に不可欠な高性能半導体をめぐる米中対立が影と落としている。S&P500の今後の見通しをめぐっては、18日までの連邦公開市場委員会(FOMC)という重要イベントが控えており、2025年の利下げペース鈍化の可能性が感じられれば、S&P500に重荷が加わることになりそうだ。
アメリカのS&P500は4週ぶり下落 長期金利上昇で見通し悪化
S&P500(SPX)の13日の終値は前日比では微減の6051.09。週次での下落は半導体株の不振が重荷となった11月11-15日週(2.08%安)以来だ。S&P500は6日に2024年に入って57回目となる最高値更新を果たしたが、値上がりにブレーキがかかっている。ブルームバーグによると、長期金利は13日のニューヨーク市場の終値で4.398%となり、11月22日(4.401%)以来の高さ。株式の投資先としての魅力を相対的に低めて、S&P500の見通しを悪くしている。
また、長期金利の上昇は中小型株を大きく下落させた。中小型株の代表的な株価指数であるラッセル2000(RUT)の13日の終値は1週間前比で2.58%安。S&P500に大きく見劣りする結果だ。
米国の物価上昇に根強さ 11月卸売物価指数は予想を超える伸びに
長期金利上昇の裏側には米国の物価上昇鎮静化の見通しが悪化したことがある。米労働省が12日に発表した11月の卸売物価指数(PPI)の伸び率は前年同月比3.0%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.6%を大きく上回った。11日発表の11月消費者物価指数(CPI)の伸び率が前月よりも高くなったこととあわせて、物価上昇の根強さを感じさせる結果だ。
エヌビディアの株価は週次5.75%下落 ブロードコムはAI需要期待で急騰
S&P500の下落の背景にはエヌビディアの不振もある。エヌビディアの株価(NVDA)は13日の終値が前日比2.25%安。1週間前比では5.75%安に沈んだ。エヌビディアをめぐっては、9日に中国政府が独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと報じられ、株価に下落圧力がかかっている。米政府が2日に、人工知能(AI)開発に不可欠な最先端半導体の中国向け輸出規制を改めて強化すると発表したことへの対抗措置としての意味合いや、ドナルド・トランプ次期大統領の中国との対決姿勢を牽制する狙いがありそうだ。
S&P500の2025年の見通しはFOMCが左右 11月小売売上高も相場を動かす可能性
S&P500の今後の見通しをめぐっては、米連邦準備制度理事会(FRB)が17、18日に開くFOMCの重要度が高い。0.25%利下げがほぼ確実視される情勢だが、経済見通しなどで2025年の利下げペースが緩やかになるとの方向性が示されれば、S&P500にとっては悪材料となる。また、米商務省が17日午前8時30分(日本時間17日午後10時30分)に発表する11月の小売売上高の結果もFRBの意思決定に影響を及ぼす。ブルームバーグがまとめた市場予想では前月比0.5%の伸びが予想されており、結果が上振れた場合にはS&P500に下押し圧力がかかる可能性がある。
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