中国経済1-3月は堅調な滑り出し 製造業PMIに好結果の期待 成長率4%超か
2023年の中国経済が堅調に滑り出している。31日発表の製造業PMIも好結果が見込まれ、1-3月期の成長率は4%超との予想が出ている。
2023年の中国経済が堅調な滑り出しをみせている。31日に発表される製造業購買担当者指数(PMI)も好結果となる見通し。今月発表された1-2月の鉱工業生産指数にも明るい兆しが出ており、2023年1-3月期の実質成長率は4%超になるともみられている。2022年11月から進めてきたゼロコロナ政策の解除が経済活動の復調につながっている形だ。一方、中国経済復活への期待を背景に鉄鉱石価格は引き続き値上がり基調を維持しており、中国経済の動向は商品市場の先行きも左右しそうだ。
製造業PMIは3か月連続の50超え予想
PMIは企業に購買や生産、物流などの状況について尋ねる調査。50を超えれば経済が成長しており、50未満であれば縮小していると判断される。ロイター通信がまとめたエコノミスト予想では、31日に発表される3月の製造業PMIは51.5になると見込まれている。1日に発表された2月の数字は52.6で、2012年4月(53.3)以来の高水準。1月も50を超えており、3か月連続でハードルクリアとなれば、経済活動の力強さがさらに印象づけられる。
経済の復調は生産や消費の実績にも表れている。3月15日に発表された1-2月の鉱工業生産指数は前年同期比2.4%増だった。ゼロコロナ政策解除が始まってからの実績は2022年11月が2.2%増、12月が1.3%増で、緩やかながらも前向きな動きが強まっている。また、1-2月の小売売上高も3.5%増となっており、3か月連続のマイナスから抜け出した。
1-3月期成長率は「4%を上回る」との見方も
こうした中で注目を集めるのは4月18日に発表される1-3月の成長率だ。習近平政権が3月の人民代表大会で5%前後の実質成長率目標を掲げる中、1-3月の実績は目標達成の可能性を占う試金石となる。ニッセイ基礎研究所の三尾幸吉郎氏は24日のレポートで、鉱工業生産の動向などを踏まえ、「4%を上回る可能性が出てきた」と分析。3月の指標が出るのはこれからだが、2022年3月は上海で新型コロナ感染が広がり始めた時期のため、伸び率は高まりやすいともみている。日本総研も29日のレポートで「コロナ禍で積みあがった貯蓄を支えに、個人消費の増勢が続き、当面は高めの成長となる見通し」と指摘した。
鉄鉱石価格上昇の背景に
中国経済復活への期待は鉄鉱石価格の動きにも表れている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、大連商品取引所での鉄鉱石の先物価格(翌月限)は2022年11月1日時点では1トン=641.5人民元だったが、今年3月9日には約1.5倍にあたる960人民元まで上昇。その後、米国発の金融システム不安が高まる中で900人民元程度まで値下がりしたが、30日までには再び950人民元前後まで値を戻している。
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