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米金利反発の持続性は経済指標の内容次第 / ドル円とユーロドルの注目ポイントについて

2日の外為市場は、米金利の反発で米ドル買い優勢の展開に。米金利の反発が続くかどうか?は、経済指標の内容次第。ドル円とユーロドルの焦点は?上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米金利反発の持続性は経済指標の内容次第


【サマリー】
・FEDスピーカーからはタカ派の発言が聞かれる
・米金利反発の持続性は経済指標の内容次第
・金利の動きに連動する米ドル相場
・ドル円の焦点は戻り高値の見極めにある
・1.0280-1.03ゾーンがレジスタンス化するユーロドル



・FEDスピーカーのタカ派発言で米金利が反発

2日の米債市場では各年限の利回りが反発した。サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁はこの日、インフレの抑制について「長い道のり」にあると指摘した。

また、シカゴ地区連銀のエバンス総裁は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.5ポイントの利上げがベースシナリオとしながらも0.75ポイントの利上げが視野に入る可能性に言及した。

先月29日にはミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がデイリー総裁と同じく、インフレ抑制のためには長い道のりがあると発言している。これらFEDスピーカー達のタカ派発言が米債ロングの調整要因となり、昨日の米金利は反発した。

米金利のチャート

米金利のチャート TradingView 5分足(8月以降)


・焦点は経済指標の内容

今日の外為市場のトレンドを考える上での焦点は、米債市場で金利の反発が続くかどうか?にある。その鍵を握るのは、やはり経済指標である。

今日は7月総合購買担当者景気指数(PMI/改定値)、同月ISM非製造業景況指数、そして6月製造業新規受注が発表される。

注目はISM非製造業景況指数である。製造業指数と同じく前月よりも下回る内容となれば、昨年11月をピークにダウントレンドにあることが意識されると同時に、景気後退に対する懸念も高まることが予想される。よって、弱い経済指標の内容が確認される場合、米金利の反発は一時的な現象となる可能性があろう。

一方、経済指標が予想以上に強い内容となれば、上述したFEDスピーカー達の発言の影響が続き、米金利は反発基調を維持することが予想される。米金利の動きにより米ドル相場のトレンドは左右されよう。

米ISM非製造業景気指数の推移

米ISM非製造業景気指数の推移 ブルームバーグのデータより作成 / 月次(2020年以降)


・米ドル相場は金利にらみの展開が続く

上の米金利チャートに米ドル相場の大まかな方向性を示すドルインデックス(DXY)のラインチャートを重ねると、米金利の動きに連動していることがわかる。

インフレの予測が難しいこと、それゆえ連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げの可能性が残ること(この点は上述したFEDスピーカー達の発言からもうかがえる)を考えるならば、米金利は上下に振れながら、将来の景気動向を織り込んだ金利水準に落ち着こう

米金利が上昇する局面では、昨日のように米ドル相場全体が上昇する展開を想定しておきたい。

また、景気後退の懸念がリスク回避の米ドル買い圧力を高める可能性も考えておく必要がある。昨日は台湾問題がリスク要因として意識されたが、NY金の上昇幅が限定的である一方、米ドル相場はG10通貨すべてで上昇した。この動きは、安全資産としての米ドル買いの需要の強さを示唆している。

このレポートで指摘してきたとおり、7月中旬以降の米ドル安は「調整の反落相場」と想定しておきたい。

米金利とドルインデックスのチャート

米金利とドルインデックスのチャート TradingView 5分足(8月2日以降)

ドル円とユーロドルの注目ポイント

・ドル円は戻り高値の水準を見極める局面に

2日のドル円(USDJPY)は、フィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準131.32レベルで反発した(日足ローソク足の実体ベース)。

日足ローソク足のかたちを確認すると、長い下ヒゲが示現していることがわかる。そして100日線(EMA/今日現在130.37前後)がサポートラインとして意識されたことも考えるならば、今日のドル円の焦点は、戻り高値の水準を見極めることにある。

今晩の米経済指標が総じて強い内容となる場合は、「米金利の上昇→ドル円の上昇」の展開が予想される。このケースでの焦点は、134円台への再上昇となろう。8月1日の高値133.56レベルの突破は、134.00トライ&ブレイクのシグナルと想定しておきたい。

ドル円が134円台の攻防へシフトする場合、テクニカルの面で注目したいのが、サポートラインからレジスタンスラインへの転換が見られる10日線(MA/今日現在134.90前後)のトライ&ブレイクである。この移動平均線で戻りが止められる場合、ドル円の反発局面では10日線を意識する状況が続くことを想定しておきたい。

一方、「弱い経済指標→米金利の低下」の展開では、ドル円の反落を予想する。このケースでは、133円ミドル以下が戻り高値の水準として意識される可能性が出てくる。テクニカル面での注目ポイントは、上で述べたフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準(131.32レベル)と100日線の攻防となろう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingView 日足(今年3月以降)


・1.0280-1.03レベルがレジスタンス化するユーロドル

「米金利の反発→米ドルの買戻し」を受け、昨日のユーロドル(EURUSD)は大陰線が示現した。

直近の動きで注目すべきは、何度も1.0280レベル(6月の戻り高値と現時点での今年最安値の半値戻しの水準)をトライするも上ヒゲが示現し、相場の戻りが止められていることである。昨日の高値は1.0294レベル。1.03手前で上昇が止められたことを考えるならば、

1.0280-1.03の水準がレジタンスゾーンとして明確になってきた。ロシアーウクライナ紛争の長期化による経済への打撃、域内の分断化阻止のための南欧国債の購入政策、そして米欧の利上げペースの差も考えるならば、今は積極的にユーロを買うタイミングではない。よって、米ドル売りにサポートされユーロドルが1.03台の攻防へシフトしても、短期レジスタンスラインで反落する可能性を意識しておきたい(レジスタンスゾーンの突破はだましとなる可能性あり)。

なお、現在は短期レジスタンスラインと並行するかたちで、50日線(MA/今日現在1.0394前後)が推移している。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingView 日足(今年5月以降)

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