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【ドル円 (USD/JPY) ・ユーロドル (EUR/USD) 】焦点はパウエル会見 / それぞのチャートポイントについて

31日の外為市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見の内容で大きく動く可能性がある。新たなトレンドが発生するかどうか?の分岐点にあるドル円(USD/JPY)とユーロドル(EUR/USD)、それぞの焦点は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・今日の外為市場の変動要因は、パウエルFRB議長の会見内容となろう
・ドル円は146.60と148.50、どちらの水準をブレイクするのか?が焦点に
・ユーロドルは1.08と1.09、どちらの水準をブレイクするのか?が焦点に


外為市場はFOMCとパウエル会見待ちのムード

12月のJOLTS求人件数は902.6万件と、市場予想の875.0万件を上回った。前月分も879.0万件から892.5万件へ上方修正された。

一方、1月の消費者信頼感指数は114.8でブルームバーグ予想と一致。期待指数は83.8と2か月連続で景気判断の分かれ目となる「80」の水準を上回った。

強い経済指標を受け、米債市場では利回りが上昇で反応した。米金利の上昇は、外為市場で米ドル買いの要因となった。

ドル円(USD/JPY)は148円を目指す動きが見られた。しかし、米金利の反発は限定的ですぐに低下基調へ転じた。このためドル円の上昇もすぐに失速した。

外為市場は現在、米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見待ちムードにある。

ドル円と米長期金利のチャート:15分足30日の欧州タイム以降

ドル円と米長期金利のチャート:15分足30日の欧州タイム以降 TradingView提供のチャートで作成

ドル円、今日の見通しとチャートポイント

146.60と148.50、どらちの水準をブレイクするのか?
ドル円(USD/JPY)は昨日、強い経済指標を受けた米金利の反発を受け147円台で底堅さを維持した。

今日の焦点は、サポート転換の兆しが見られる146.60レベルとレジスタンスの水準として意識されている148.50レベル、どちらの水準を日足ローソク足の実体ベースでブレイクするのか?この点となろう。

変動要因はパウエルFRB議長の会見内容
上で述べた水準をブレイクするきっかけになり得るのが、パウエルFRB議長の会見内容である。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、インフレ再燃のリスクだけでなく景気リスクの対応も迫られる状況にある。

一方、米国経済は底堅さ維持し、インフレは鈍化の傾向を辿っている。FRBにとって理想的ともいえる現在の情勢を考慮し、ウォラー理事と同じくパウエル議長も市場が抱く利下げ期待を強くけん制してくる可能性がある。このケースでは、ドル円(USD/JPY)の上昇と148.50レベルの上方ブレイクを想定しておきたい。

ドル円が148.50レベルを完全に突破する場合は、今月19日の高値148.80レベル、149.00レベルそしてフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準149.15レベルと、IG為替レポートで注目している各チャートポイントでの攻防を意識したい。

ドル円のチャート:日足23年11月以降

ドル円のチャート:日足23年11月以降 TradingView提供のチャートで作成


146.60レベルを下方ブレイクする場合の焦点は?
しかし、日足のMACDはドル円(USD/JPY)の強気相場の勢いがジワリと後退していることを示唆している。一方、ストキャスティクスは、買われ過ぎの水準から低下のトレンドへ転じている(下の日足テクニカルチャートを参照)。

また、通貨オプション市場のリスクリバーサルを確認すると、ドル・プットへ傾く状況にある。

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足23年10月以降

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足23年10月以降 ブルームバーグのデータで作成


これらの動向を考えるならば、パウエルFRB議長の会見内容が米ドル安の要因となる場合は、下で述べるチャートポイントの攻防を意識したい。

また、パウエル会見がドル円の上昇要因となっても、明日以降に発表される経済指標の内容次第では「米ドル安→ドル円の下値トライ」を警戒しておきたい。

ドル円が下値をトライする局面では、サポート転換の兆しが見られる146.60レベルの攻防が焦点となろう。ドル円がこの水準を下方ブレイクする場合は21日線の攻防が焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、146.50レベルまで上昇している。ゆえに、146.50-60レベルをサポートゾーンと考えることもできる。

ドル円が146円ミドルの水準をも難なく下方ブレイクする場合は、146.60レベルと同じくサポート転換の可能性がある146.00レベルの維持に成功するかどうか?この点に注目したい。

146.00レベルをも下方ブレイクする場合は、昨年の11月下旬以降、レジスタンスラインとして意識されている50日線の攻防が焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、145.38レベルで推移している。

ドル円のチャート:日足23年11月以降

ドル円のチャート:日足23年11月以降 TradingView提供のチャートで作成

ユーロドル、今日の見通しとチャートポイント

1.08と1.09、どらちの水準をブレイクするのか?
ドル円(USD/JPY)と同じく、ユーロドル(EUR/USD)も分岐点の攻防となっている。

その分岐点とは、1.08レベルと1.09レベルである。今日はどちらの水準をトライし、そしてブレイクするのか?この点がユーロドルの焦点となろう。

ユーロドルのチャート:日足23年10月以降

ユーロドルのチャート:日足23年10月以降 TradingView提供のチャートで作成


ドル円と同じくユーロドルも、パウエルFRB議長の会見内容で上下に振れる展開が予想される。

パウエル会見が米ドル買いの要因となれば、現在ユーロドルをサポートしている1.08レベルの下方ブレイクを想定しておきたい。この水準は、昨年10月安値と12月高値の半値戻しの水準1.0794レベルにあたる。今月29日の下落相場では日足ローソク足で長い下ヒゲが現れ反発した(上のチャート、緑矢印を参照)。この経緯を考えるならば、今日の下落局面でも1.08(1.0794)レベルがサポートの水準として意識される可能性がある。

一方、ユーロドルが1.08(1.0794)レベルを完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0712レベルの攻防を想定しておきたい。この水準の攻防は、1.07台を維持できるかどうか?この点を見極める攻防となろう。

昨日のIG為替レポートで述べたとおり、1.0723(昨年12月8日安値)のブレイクは、1.0712を目指すシグナルと想定しておきたい。

一方、パウエル会見が米ドル安の要因となれば、1.0880レベルで推移している短期レジスタンスラインを突破できるかどうか?この点が最初の焦点となろう(下の日足チャートを参照)。

ユーロドルがこのラインを突破する場合は、1.09の攻防を想定しておきたい。今日現在、21日線が1.09レベルへ低下している。すぐ上の水準1.0915レベルには50日線が推移している。地合いの弱さを示唆するMACDの動向も考えるならば(下のチャート、赤矢印を参照)、ユーロドルが反発しても上で述べた2つの移動平均線で反落する展開を警戒しておきたい。

ユーロドルのチャート:日足23年10月以降

ユーロドルのチャート:日足23年10月以降 TradingView提供のチャートで作成

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