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今週の外為市場の焦点 / ドル円とユーロドルのチャートポイント

サマリー:『今週はFOMCが開催される。パウエルFRBが景気の先行きについてどのような見解を示すのか?この点に注目。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

今週の外為市場の焦点

今週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。

6月に公表されたドットプロットチャートでは、2023年末までに2回の利上げ予想が中央値で示された。3月時点の予測と比較すると、パウエルFRBが利上げに向けて積極的なスタンスへ転じていることが判明した。
しかし、今月14-15日の議会証言でパウエルFRB議長は、テーパリングについて慎重なスタンスを示してきた。

6月のFOMCと議会証言の動向を考えると、今回のFOMCの焦点は、パウエルFRBが景気の先行きについてどのように考えているのか?この点にあると筆者は考えている。

インフレが加速しても米長期金利は低下基調にある(下のチャートを参照)。先を予測して動くマーケットの特性を考えるならば、現在の米金利の低下は経済回復のピークが過ぎたこと、そして来年以降の成長鈍化を先取りした動きと考えることができる。
また、新型コロナウイルスの変異株リスクも不透明要因として浮上している。

パウエルFRB議長が会見で景気の見通しに慎重なスタンスを示す場合、早期のテーパリング開始の観測が後退しよう。

この場合、外為市場では米ドル売りの圧力が高まることが予想される。また、早期テーパリング観測の後退は米株高の要因である。米金利の上昇が抑制される中、米株が最高値圏での攻防を維持すれば、豪ドルや新興国通貨買いの展開が見られると予想する。

しかし、パウエルFRB議長は先の議会証言で、「テーパリングについて新たな討議を数週間中に開始する」とも述べている。FRBが金融政策の正常化に向けて舵を切り始めている以上、米ドル売りは短期で終息する可能性があろう。

米長期金利のチャート

米長期金利のチャート

ドル円の焦点

今週のドル円(USDJPY)は、111円の再トライと89日EMA(今日現在109.36レベル)の攻防が焦点となろう。

米金利の上昇は抑制されているが、米国株は最高値を更新し株高のトレンドを維持している。今月20日に米株が反発へ転じて以降、円安の圧力が再び高まっている。この状況を考えるならば、米金利の上昇が抑制されても米株が大きく崩れない限り、ドル円の下落幅は限定的と予想する。

ドル円が下落する場合、まずは上で述べた89日EMA前後での攻防に注目したい。このEMAを下方ブレイクしてもフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準109.07レベルで反転する展開を想定しておきたい。後者のテクニカルポイントは、今月19日の下落を止めた経緯がある。

一方、上値の焦点は、111円のトライとその水準の維持となろう。米金利の反発と米株の上昇が同時に発生する局面では、111円の攻防を想定しておきたい。

米株高のみでも111円台をトライする可能性はある。しかし、米金利の低下基調が続く場合、111円台の維持は難しいと予想する。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロドルの焦点

ユーロドル(EURUSD)は、1.17を視野に下落トレンドを形成中。金融政策の正常化に向かうFRB、緩和継続のECBという構図を考えるならば、ユーロドルは1.17トライを意識する局面にある。

だが、上でも述べたとおり、今週のFOMCでパウエルFRBが景気の見通しについて慎重なスタンスを示す場合、米ドル売り優勢の展開が予想される。
この局面では、10日EMA(今日現在1.1794レベル)の突破と21日EMA(今日現在1.1837レベル)のトライを想定しておきたい。今年の6月中旬以降、どちらのEMAも相場の戻りを抑制した経緯がある。

なお、通貨オプション市場の参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は上昇基調にある。米株が最高値での攻防を維持する一方、米金利の上昇が抑制されている状況も考えるならば、今週のユーロドルは反発の局面をより意識しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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