上昇トレンドを維持する米金利 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「FRBが政策の転換を加速させるとの思惑を背景に、米金利は上昇トレンドを維持。この動きにサポートされ、ドル円はもう一段の上値トライを想定しておきたい。ユーロドルは新たなサポートの水準を見極める局面にある。目先のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
上昇トレンドを維持する米金利
・政策転換の加速を意識し米金利は上昇トレンドを維持
24日の米債市場では、2年債と5年債の利回りが上昇した。金融政策の動向に敏感なこれら利回りの上昇は、パウエルFRBの政策転換(金融政策の正常化)とそのペースの加速を意識した動きである。
10月の個人消費支出(PCEデフレーター、前年同月比)は5.0%と、9月の4.4%から上昇した。コアデフレーター(同比)も4.1%と、9月の3.7%から上昇した。インフレはピークを迎えるとの指摘もあるが、1年の期待インフレ率は再び上昇トレンドへ転じ5.58%まで上昇している。
一方、労働市場では改善傾向が進んでいる。昨日発表された新規失業保険申請件数は19.9万件と、1969年以来の低水準となった。
インフレが加速する一方で雇用の改善傾向が具体的な数字で確認された状況を考えるならば、インフレ対応としてFRBが早期に利上げを実施する(政策の軸がインフレ対応にシフトする)との観測が市場で意識され続ける可能性が高まってきた。これが意識される限り、2年債と5年債の利回りも上昇トレンドを維持する公算が大きい。
米金利のチャート
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円(USDJPY)
米金利との相関性が高いドル円(USDJPY)は、短期的にもう一段の上値トライを想定しておきたい。
焦点は来週以降の動きだが、上値のポイントは昨日高値115.51レベルの突破とフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準115.60レベルのトライである。これらの水準を完全に上方ブレイクする場合は、116円トライが次の焦点として浮上しよう。
一方、ドル円が反落しても下値は限定的と予想する。米金利の上昇に加えて、アメリカの株式市場が堅調地合いを維持する状況が続いているからだ。
目先の焦点は、115円台での底固めである。114円台へ反落しても、今月11日以降、相場をサポートし続けている21日線(SMA、114.12レベル)で反転する展開を想定しておきたい。また、来週は短期サポートラインが114円台へと上昇する。これらテクニカルの水準を考えるならば、115円台の維持に失敗しても114円台で反転する可能性がある。
ドル円のチャート
・ユーロドル(EURUSD)
ユーロドル(EURUSD)は昨日、1.12をブレイクした。1.13レベルどころか、1.12ミドルの水準で戻りが抑制された状況は、相場の地合いが弱いことを示唆している。
この日公表されたFOMC議事要旨で、メンバーの中には債券購入プログラムの縮小ペースの加速や利上げを急ぐ必要性について言及していたことが判明した。米欧の金融政策の差がさらに鮮明となったことを考えるならば、ユーロドルは引き続き下値トライを想定しておきたい。
過去の推移をみると、1.11台では明確なサポートの水準が見当たらない。よって、目先の焦点は1.11台で相場が反転するポイント(昨日安値1.1184や1.11ミドルなど)を探す展開となろう。
サポートとなり得る水準がない場合(続落が続く場合)は、1.1100トライおよびフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準1.107レベルのトライが焦点として浮上しよう。
一方、ユーロドルが反発する場合、目先の焦点は5日線(EMA、1.1238レベル)の突破が焦点となろう。昨日は、このEMAで見事に相場の戻りが止められた。
5日線の突破に成功しても、1.13台の回復に失敗し続ける場合、この水準が新たなレジスタンスとして意識される可能性がある。
ユーロドルのチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。