Analysis Highlights
・焦点は米企業決算へ
FEDのスタンス転換による金利リスクの後退を背景に米株の反発基調は継続中。ボラティリティ(VIX)は20ポイント以下での推移を維持している。現下、米株の動向が長期金利と米ドル相場のトレンド決定要因であることはこのレポートで指摘済み。事実、昨日は米株続伸に追随し、長期金利は2.747%まで上昇する局面が見られた。そして長期金利の上昇は米ドル相場のサポート要因となり、NYタイムのドル円は108円台で堅調推移となった。一方、ユーロドルは1.15割れの局面が見られた。豪ドル以外の他の主要な先進国通貨に対しても米ドル買い優勢で推移した。
目先の焦点は、米株が現在のトレンドを維持できるかどうかにあるが、この点を見極める上で重要なファクターとなるのが、来週以降の米企業決算である。2018年Q4決算は米中貿易摩擦が激化した後の影響と景気の先行きを見極める上で重要な資料となるからだ。決算内容以上に注視すべきは企業の先行き景況感である。前回の決算では一部の企業が景気の先行きに対する警戒感を示した。米中貿易摩擦の激化とその影響を警戒し、今回の決算で多くの主要企業が先行き不透明感を理由に利益見通しを下方修正するならば、決算自体が良好でも米株は再び不安定化しよう。逆に先行きについて強気の見方が維持される場合、米株は調整を挟みながら緩やかな上昇トレンドを描くことを想定している。
・ドル円は反落を警戒 ユーロドルは堅調地合いを想定
本日のドル円は反落を警戒したい。続伸基調が続く米株は、週末および企業決算前の利益確定売り圧力により反落する展開が想定される。米株が反落する場合、長期金利の反発圧力も後退しよう。ドル円は108円ミドルから後半にかけて上値が抑制されよう。テクニカル面での焦点は短期レジスタンスラインが推移する108.50台、およびリトレースメント76.40%の水準108.65となろう。一方、下値の焦点は108円台の維持である。107円台の攻防へシフトする場合は、昨日安値107.76および今月4日安値107.50までの反落を警戒したい。107.70下にはストップオーダー、107.50にはビッドが観測されている。
ユーロドルは堅調地合いを想定。通貨オプション市場のリスクリバーサルはユーロ相場の強さを示唆している。この地合いで「米株反落→米独利回り格差縮小」となれば、リトレースメント61.80%の1.1585トライを意識したい。このレベルを突破する場合、次のターゲットは1.1600となろう。1.1580および1.1600にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点はビッドが観測されている1.1470および1.1450の攻防を注視。後者の水準には10日MA(1.1451前後)が推移している。
【チャート1:ドル円】