Market Analysis
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは、短期サポートラインを視野に下落中。この主因は米長期金利の低下にある。原油価格が低迷する中、長期金利の反発は米株次第となろう。その米株だが、週後半は動意の薄い展開が想定される。よって、注視すべきは週前半の動向だが、まずはAPECで露呈した米中対立に対する週明けの米株の反応となろう。この問題は基本的に米ドル買い要因である。しかし、現在はそれが「米株安→長期金利の低下」圧力を高める要因となり、その結果、米ドル高の調整圧力へつながっている。よって、週明けの米株が米中対立を意識するならば、米ドル高の調整が続く展開を想定したい。だが、この点が意識されてもヘッジファンド勢の動向次第で米株は底打ち感を高めよう。解約・換金にかかわる「45日ルール」が過ぎたことで、今週以降ヘッジファンド勢が新たな米株のポジション構築に動くだろう。その過程で、焦点は再び米国のファンダメンタルズへシフトしよう。ヘッジファンド勢の米株に対する強気スタンスをサポートする上で重要な材料が指標データとなろう。今週、特に注視すべきは個人消費との関連性が高い20日の住宅関連指標となろう。総じて市場予想を上回る場合、「米株高→米長期金利の反発→米ドル高」の展開を想定したい。
ドル円は、引き続き米株にらみの展開となろう。日足チャートでは標準誤差回帰分析バンドの下限をトライ中。テクニカル面では反発するタイミングにある。良好な米指標データとヘッジファンド勢のポジション再構築により米株が底打ち感を強めるケースでは、114円を再び目指す展開を想定したい。これを達成する場合、最大の注目点は10月高値114.54となろう。逆に米中貿易摩擦が引き続き米株の重石となる場合は、111.50レベルで推移している短期サポートライン(111.50→111.65)のトライを警戒したい。114.54からのリトレースメント61.80%が、今週このサポートラインとクロスする。
一方、ユーロドルは21日MAを大陽線で上方ブレイクしたことで、1.15を目指すムードが高まっている。だが、ADXとDMIは現在の反発相場に勢いがないことを示唆。米株と長期金利が反発する場合、短期レジスタンスラインもしくは1.1450レベルでの反落を警戒したい。一方、下値の焦点は1.1250の維持となろう。このレベルの下方ブレイクは、重要サポートポイント1.1210トライのシグナルとして警戒したい。
【チャート①:ドルインデックス/米長期金利】