拡大傾向のリスク許容度
株式や新興国通貨といったリスク性の高い資産の価格が上昇しています。投資家のリスク許容度は明らかに拡大傾向にあり、この状況が続く限りドル円は底堅い展開を想定しています。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・拡大傾向のリスク許容度
12日の海外外為市場は新興国通貨買い優勢の展開となった。米中通商協議に対する警戒感は後退ムードにある。また、米与野党が新たな予算案で基本合意したことも意識され、この日の主要な海外株式は総じて上昇した。外為市場ではリスク性の高い新興国通貨買い―特にブラジルレアルとインドルピーを買う動きが目立った(対米ドル)。2月の米ドル高が鮮明なため、昨日の新興国通貨買いは単なる調整の動きに見える。しかし、年初来騰落率(対米ドル)を確認すると、インドルピーを除き主要な新興国通貨はプラス圏で推移している。新興国通貨と同じく、主要な株価指数も年初から上昇基調を維持している。さらに投資家の不安心理を表すVIX、ハイテクセクター(Nasdaq100)のボラティリティ指数であるVXNおよび新興国EFTのボラティリティVXEEMといった各ボラティリティ指数の低下傾向も考えるならば、投資家のリスク許容度は明らかに拡大傾向にある。目先、この状況を覆すリスク要因として注視すべきは米中通商協議に関する新たなネガティブ報道だろう。現状、新たな報道が見られない中、協議の進展期待のみで株高が進行している。このタイミングでネガティブ報道があれば、株式市場は利確で反応しよう。一方、米予算案についてはトランプ大統領の署名拒否がリスク要因である。しかし、これまでの政治対立とそれに伴う一部政府機関の閉鎖期間が最長となった状況を考えるならば、予算案リスクが現在のセンチメントを転換させるだけのインパクトはないと判断する。
【各ボラティリティ指数チャート】
・ドル円は75日MAトライが焦点 ユーロドルは21日までの調整を想定
投資家のリスク許容度が拡大傾向にある状況を考えるならば、本日のドル円は引き続き底堅い展開を想定している。目先のレジスタンスポイントは昨日高値110.64およびオファーが観測されている110.70となろう。これらの水準を突破する展開は111.00トライのシグナルと想定。このレベルにもオファーの観測あり。テクニカル面での焦点は、昨日指摘した200日MAとクロスしている75日MAとなろう。このMAは昨年10月から12月中旬にかけてサポートラインとして意識され、且つ12月18日には相場をレジストした経緯がある。一方、下値の焦点は110円台の維持となろう。110.20および110.00にはビッドが観測されはじめている。
本日のユーロドルは調整相場の継続を想定。だが、ユーロ圏経済に対する先行き不透明感が意識されている状況ではリトレースメント50.00%レベルとクロスしている21日MAで上値がレジストされる可能性がある。本日のユーロ圏および米国の指標データの内容次第では、再び1.12台へ反落する展開を意識しておきたい。1.1350から1.1400にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、昨日相場をサポートした1.1250にはビッドの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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