米株の調整相場継続を想定
現在の外為市場は株式にらみの展開となっています。その株式で注視すべきは米株の動向です。調整の反発を挟みながら、調整相場の継続を想定します。よって、外為市場では円高圧力がさらに高まる局面が見られるでしょう。詳細は本日のマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・米株の調整相場継続を想定
13日の米国市場は、米中貿易摩擦の激化を嫌気したリスク回避相場となった。米長期金利(以下米金利)は3月29日以来となる2.4%割れの局面が見られた(Low2.389%)。米金利の低下は米ドル売り要因である。しかし、昨日は対円およびスイスフランを除き、軒並み米ドル買い優勢となった。米金利の低下時における米ドル買いの主因は、リスク性の高い通貨売り-つまり新興国と資源国通貨の売りにある。事実、昨日の騰落率を確認すると、先進国通貨では豪ドル、NZドルそしてカナダドルの下落幅が対米ドルで拡大した。一方、主要な新興国通貨ではトルコリラや南アフリカランドを中心に軒並み下落した(同じく対米ドル)。これらの状況が示唆することは、現在の外為市場のトレンド決定要因が株式市場にある、ということである。その株式市場だが、米中通商交渉が6月下旬のG20会合まで長引く可能性がある状況を考えるならば、上下に振れる不安定な状況が続くだろう。特に注視すべきは米株の動向だが、VIX指数は警戒水準とされる20ポイント前後で上下に変動中。VIX以上に注視すべきVXN(ナスダック100が原資産)は、リスク回避相場の加速を警戒すべき25ポイントの水準を突破してきた。テクニカルの面でも調整相場の継続を警戒したい。S&P500指数のボラティリティ(原市場の変動幅)が不安定化した2018年以降の20日乖離率パターンを確認すると、調整圧力が高まる局面では6%前後の水準までかい離が広がるパターンが見られる。現状のかい離率は3.35%。2,800ポイント割れを想定すると同時に、外為市場では円高圧力がさらに高まる局面が見られよう。
【米株のボラティリティ指数】
【S&P500指数】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は、ビッドが観測されている109.00の攻防が焦点となろう。米株の調整相場継続を想定する場合、109円台の維持よりも108円台への攻防シフトを想定すべきだろう。テクニカル面でのサポートポイントはフィボナッチ・プロジェクション38.20%の108.73前後。108.60にはビッドが観測されている。一方、米株の押し目買い局面ではドル円の反発を想定したい。だが、米金利に低下圧力が高まっている状況では上昇幅は限定的だろう。10日MA(110.33前後)を目先の上限と想定し、まずはオプションバリアの攻防が想定される110.00の突破が焦点となろう。
ユーロドルは売り買い交錯を予想する。短期リスクリバーサル(1週間 / 1ヶ月)はユーロの堅調地合いを示唆している。売り圧力が顕在の1.1260-70ゾーンを突破する材料として、本日は5月独ZEW指数(Sentiment)の内容が鍵を握ろう。市場予想(5.0ポイント)を上回る場合、プロジェクション100.00%レベルの完全突破のみならず1.1270の突破も想定したい。また、FEDスピーカー(ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁 / ジョージ米カンザスシティー連銀総裁)の言動、特に将来の米経済について自身の見通しを示す場合、それらの内容によりユーロドルが上下に振れる可能性もある。
【ドル円】
【ユーロドル】
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