円相場と株式市場 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:『円相場については株式市場との関係を注視。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
円相場と株式市場
昨日の円相場は、東京時間と海外時間で真逆の展開となった。国内株式は前週の流れを引き継ぎリスク回避相場(株安)の展開に。円相場は円高優勢で推移した。一方、この日の欧州や米国の株式市場は総じて反発した。
この動きに呼応し、円相場は下のチャートの矢印が示すとおり、一転して円安優勢の展開となった。21日のレポートでワクチン相場が終了した今、これからの円相場は株式との相関性の復活が重要な焦点になると指摘した。昨日の動向は、円相場と株式市場の相関性が再び強まっていることを示唆している。
FRBの政策転換がリスク要因として意識されやすい状況にある中、株安の局面で昨日のような円高が持続的に発生するかどうか?引き続きこの点を確認することが重要となろう。
昨日の円相場の動向
ドル円の焦点
ドル円(USDJPY)の日足ローソク足を見ると、昨日のそれは長い下ヒゲ付きの陽線引けとなった。短期サポートラインの上で急反発した展開を考えるならば、下落の局面では短期サポートラインの維持が引き続き焦点となろう。
昨日の下ヒゲは、一見するとドル円の地合いの強さを暗示している。だが、米10年債利回りは1.5%以下の水準で反発が抑制されている。
また、ドル円と米2年債利回りの相関性が復活するかどうか?この点も定かではない。さらにFRBの政策転換が株安の要因として意識されやすい相場環境である以上、昨日のような米株の反発は「ブルトラップ(強気のワナ)」の可能性がある。
これらの点を意識してか、市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は低下基調にある。
111円を突破し、かつその水準を維持する状況とならない限り、ドル円は反落のリスクを警戒すべき局面にある。
短期サポートラインの維持に失敗する場合は、50日EMAの攻防を想定したい。このEMAは今日現在、109.30レベルで推移している。
一方、上値の焦点は111円のトライで変わらず。米金利の反発局面では110.48(6/18高値)、次に110.81(6/17高値)を確実に突破してくるかどうか?この点を確認したい。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
一方、ユーロドル(EURUSD)だが、市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は反発のムードにある。
フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1835の上で反発していることも考えるならば、下値の焦点は1.18台の維持となろう。
先月の25日から3%以上下落していることを考えるならば、今週は反発の展開が見られよう。
この局面で注目すべきは、1.20がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点にある。先週17日は、1.20レベルで見事にユーロドルの上値が抑制された。EMAでデッドクロスが示現している状況も考えるならば、1.20レベルで再び上値が抑制される可能性がある。
1.20台の攻防へシフトしても、先週16日に大陰線で破られるまでサポートラインとして意識されてきた50日EMA(今日現在1.2075レベル)がレジスタンスラインへ転換する可能性もある。ユーロドルは、引き続きダウンサイドのリスクを警戒する局面にあると考えている。
なお、株安や米金利の上昇などでユーロドルが1.18台を下方ブレイクする場合は、1.17台の維持が次の焦点として浮上しよう。
ユーロドルのチャート
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