ドル円 112.50-60ゾーンの攻防が焦点に / ユーロドルは下値トライを意識
サマリー:「ドル円は新たなサポートポイントの水準を探す局面にシフト。ユーロドルは反落リスクを警戒。上下のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円 112.50-60ゾーンの攻防が焦点に
昨日、アメリカでも初のオミクロン株の感染者が確認された。この情報を受け昨日の米債券市場では2年債、5年債そして10年債の各利回りが低下した。主要な株価指数も取引後半に下げ幅が拡大し、下落して引けた。
リスク回避の圧力で外為市場では米ドル買い優勢の展開となったが、それ以上に円買いの圧力が高まったことで、ドル円(USDJPY)は安値112.65レベルまで下落する展開となった。
直近1週間の動きは、ドル円のテーマが新たなレジスタンスポイントの水準ではなく、新たなサポートポイントの水準を探す局面へシフトしていることを示唆している。その下値の候補として浮上しているのが、112.50-60のゾーンである。11月30日に続き、昨日もこのサポートゾーンで下落が止められた。今日もこのゾーンの攻防が下値の焦点となろう。
だが、オミクロン株の感染リスクが意識されやすい状況(リスク回避で米金利が低下しやすい状況)にあることを考えるならば、上のサポートゾーンの下方ブレイクと112.00トライの可能性を意識しておきたい。100日EMAは今日現在112.06前後で推移している。
一方、上値の焦点は114円の水準を割り込んできた21日線(SMA、113.99レベル)のトライおよび上方ブレイクで変わらず。このラインすら突破できない状況が続く限り、ドル円は新たなサポートポイントの水準を探る展開が続こう。
ドル円のチャート
ユーロドルは下値トライを意識
昨日のユーロドル(EURUSD)は陰線引けとなった。前日の動きもあわせて考えるならば、1.1370-80ゾーンがレジスタンスゾーンとして意識されていることが浮き彫りとなった。
上で述べたように、今はオミクロン株の感染拡大リスクが意識されやすい状況にある。これは米金利の低下要因であると同時に、リスク回避(株安)の要因でもある。
昨日の外為市場は、日本円以外の主要通貨で米ドル高優勢となった。米実質金利のマイナス幅が縮小傾向にある中でオミクロン・リスクが意識される局面では、米債利回りが低下しても「リスク回避の米ドル買い」を想定しておきたい。
1.1370-80突破の失敗やオミクロン・リスクに加えて、パウエルFRB議長が金融政策の正常化を急ぐスタンスを示してきたことも考えるならば、今日のユーロドルは再び下値を目指す展開を意識したい。
1.13を難なく下方ブレイクする場合は、11月30日安値1.1234のトライが焦点として浮上しよう。この水準の下方ブレイクは、1.1200および11月24日の安値1.1184を視野に下落幅が拡大するシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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