Analysis Highlights
・米ドル相場をサポートする米株
15日の海外外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。ユーロ圏経済の先行き不透明感が意識され、対ユーロでの米ドル高が目立ったが、日本円や主要な新興国通貨に対しても米ドル高優勢で推移した昨日の状況は、現在の米ドル相場のサポート要因が米株にあること示唆している。昨年12月26日以降米株は反発基調へ転じている。この動きに追随し長期金利も2.5%台から2.7%台まで回復中。昨年12月のFOMC以降、米長期金利との相関性が高まっている米ドル相場の状況を考えるならば、「米株高→長期金利の低下圧力後退→米金利と他国との金利差が拡大」というパターンが今年の米ドル相場のサポート要因となろう。その米株だが、ボラティリティ(VIX)は警戒水準の20ポイント以下で推移する状況が続いている。明らかに投資家のリスクセンチメントは改善傾向にある。さらなる上値トライの要因として本日以降も米企業決算を注視する展開が続こう。中国が景気対策(減税政策)を打ち出しているタイミングで良好な決算内容となれば、米株の反発基調継続を想定したい。S&P500の次の上値ターゲットは、昨年10月から12月にかけて発生したリスク回避相場の高安50%戻しの水準2,643ポイント前後を想定している。逆に冴えない決算、特に業績予測の下方修正が確認される場合、調整の反落を警戒したい。だが、現在の反発圧力を考えるならば、2,580レベルでサポートされる展開を想定している。
・ドル円は108円台での底堅さを維持 ユーロドルは上値の重い展開
本日のドル円は、上述した米株の底堅さにサポートされ108円台での底堅い展開を想定している。しかし、米株がサポート要因となっても、FEDの政策スタンス変更に伴い米長期金利の上昇幅は限定的である。この点を考えるならば、引き続き109円前後では反落リスクを警戒したい。109円トライのシグナルとして、本日は短期レジスタンスライン(108.70)の攻防を注視。このラインを突破する場合は、109円台を視野に上昇幅が拡大しよう。109.00から109.20にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、下値の焦点はオプションバリアの攻防が想定される108.00の維持が焦点となろう。
ユーロドルは上値の重い展開を想定している。米株の底堅さに伴う長期金利の低下圧力後退により、まずは昨日安値1.1378をブレイクするかどうか、この点に注目したい。このポイントを下方ブレイクする場合は、昨年11月12日安値1.1213を起点とした短期サポートライン(1.1320前後)を視野に下落幅が拡大する展開を想定している。一方、上値の焦点は1.1500トライとなろう。1.1300にはビッド、1.1500にはオファーがそれぞれ観測されている。
【チャート1:ドル円】