Market Analysis
米株は続伸、ボラティリティ(VIX)は低下傾向にある。米株の下落圧力後退は長期金利に対する低下圧力の緩和要因となる。事実、米10年債利回りは米株の反転に伴い2.7%の水準をかろうじて維持している。だが、27日のレポート「株式動向に左右されるドル円」で指摘したとおり、良好な指標データと企業決算を確認するまで、米株は上下に振れる不安定な展開が続くだろう。目先、注視すべきは前者(指標データ)である。昨日の12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)は128.1と市場予想(133.5)を大きく下回り、2か月連続の低下となった。特に雇用の見通しでは、今後6カ月に雇用が増えると回答した比率は16.6%と、前月の22.7%から大きく低下した。堅調な労働市場がFEDの強気な経済見通しの土台となっている。それだけに労働関連指標で冴えない内容が続けば、先行き不透明感が意識され米株の上値を抑制しよう。次に注目すべき労働関連指標は来年1月4日の雇用統計(2018年12月)となろう。
本日のドル円は、昨日同様売り買いが交錯する展開を想定している。米株の下落圧力は後退しているが、VIXが未だ29ポイント台で推移しており、投資家のリスクセンチメントは改善していない。よって、常に反落リスクを警戒したい。110円前半(短期サポートライン以下)では押し目買いを意識する一方、111.40レベルでは上値が抑制される展開を想定している。昨日下値をサポートした110.40にはビッドが観測されている。110.10から110.00にかけてもビッドの観測あり。111.40-50にはオファーが観測されている。
ユーロドルは引き続き1.1300-1.1500のレンジ相場で売り買いが交錯しよう。1.1450レベルでの売り圧力の強さは健在。このレベル以上では反落リスクを警戒したい。1.1470および1.1490-1.1500ゾーンにはオファーが観測されている。一方、下値は1.1340をサポートポイントと想定し、本日もこのレベル前後で反転する展開を意識したい。下方ブレイクしても、1.13前半の押し目買い意欲にサポートされよう。1.1340から1.1330および1.1310から1.1300にかけては断続的にビッドが観測されている。
【チャート1:ドル円】