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米金利 / 米指標データ/ FEDスピーカー

Market Overview

21日の海外外為市場は、「米ドル買い / ユーロ売り」優勢の展開となった。イエレンFRBによる3月利上げの可能性がここにきて意識される中、米ドルの方向性を示すドルインデックスは3営業日連続で陽線が示現。ドル円は113.78レベルまで上昇する局面が見られた。ただ、トランプ通商政策リスク(=米ドル安リスク)やこの日発表された2月製造業PMI速報値が予想を下回ったことが嫌気され、米ドル買い圧力はあえなく後退。一方、欧州政治リスクが意識されユーロ相場は総じて軟調地合いとなった。対ドルでは大陰線が示現。1.0525レベルと今月15日以来の安値水準までユーロ安が進行する局面が見られた。対ユーロ&ポンドでもユーロ売り優勢となり、前者は今月8日以来の119.56レベル、後者は昨年12月22日以来となる0.8439レベルまでそれぞれ下落した。

この日の海外株式は総じて堅調推移となった。特に米国株式は①好決算、②原油高、③トランプ減税政策への根強い期待が合わさり主要3指数が過去最高値を更新する展開となった。一方、米金利は上下に振れる展開となった。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.40%台を維持した。NY原油先物3月限は続伸。石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長による減産合意順守のコメントが相場の押し上げ要因となった。

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Analyst's view

トランプ政権の国内経済対策(特に大型減税政策)への根強い期待を背景に、米株は連日で過去最高値を更新中。気になるのは現在の株高に米金利が追随できていないことだろう。昨年の米大統領選挙後に発生したトランプ相場は、これまで金融市場の主役であった金融緩和政策(=株高 / 金利低下政策)にピリオドを打ち、財政拡張(=株高 / 金利上昇政策)の幕上げを告げる象徴となった。しかし、今年に入ると米金利のみが上下に振れる不安定な状況へ陥っている。下図チャートでは米株(S&P500)と米金利(10年債利回り)の年初来パフォーマンスを比較しているが、恒常的にプラス圏を維持している米株とは対照的に米金利の不安定さが鮮明となっている。今年1月上旬の低下局面は、昨年12月FOMC後の調整地合いの側面が強い。しかし、1月下旬以降に不安定化したタイミングは、①トランプ政権の不安な船出、②ミックス状態の指標データ(抑制された賃金の伸び)、③利上げについてのイエレンFRBの不透明なスタンスが意識されたタイミングと重なる。言い換えれば、トランプ政権の政策運営能力とイエレン政策に対する不透明感が同時に意識されているということだが、直近の米金利が指標データの内容とFEDサイドの言動に敏感に反応している点を考えるならば、現在は後者の方が米金利のトレンド決定要因となっている。

本日は1月中古住宅販売件数の発表と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表が予定されいる。前者の内容が市場予想(年率換算件数555万件 / 前月比1.1%)を上回れば、米国市場は素直に「株高 / 金利上昇」で反応しよう。外為市場では米ドル買い圧力が強まろう。ドル円は114円トライの展開が想定される。一方、欧州政治リスクが意識され独金利に低下圧力が強まっているユーロドルは、目先の重要サポートポイント1.0520レベルを下方ブレイクする展開を想定したい。また、FOMC議事録で早期利上げについての前向きな議論が行われていたことが判明すれば、「米金利上昇 / 米ドル買い」の展開となろう。一方米株は、連日の高値更新を考えるならば、利益確定売りの材料とされる可能性がある。また、本日は中立派と目されるパウエルFRB理事の講演が日本時間翌午前3時に予定されている。


【チャート:米株と米金利の年初来パフォーマンス】

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