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国内株安 / 円高の主因とは ①

Market Overview

14日の海外外為市場でドル円は薄商いの中200日MAを下方ブレイクした。週明け早朝は108.80前後で推移している200日MAを上抜ける局面が見られたが、中東&北東アジアの地政学リスクへの警戒感は根強くすぐに反落。クロス円では、ユーロ円が昨年のBREXITショック時に付けた安値109.54とトランプラリー高値124.11の61.80%戻しにあたる115.11レベルをトライする展開に。直近5週間で約6%下落している点を考えるならば、ショートカバーが入る可能性が高まっている。ただ、緊迫化する北東アジア情勢とメランション氏が伏兵として台頭していることで不透明感が強まっているフランス大統領選挙を考えるならば、引き続きダウンサイドリスクを警戒したい。

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Analyst's view

加速している国内株安の主因は地政学リスク、特に北東アジアの地政学リスクにあるとの指摘がある。だが、北朝鮮の問題がクローズアップされ始めた2月以降の日韓の株式動向を比較したチャート①を確認すると、見事に対照的な値動きとなっている。韓国の地理的条件や国内政治の混乱も考えるならば、日本株のパフォーマンスが韓国株のそれ以上に低下している現状は、北東アジアの地政学リスクが日本株下落の主因、という説の説得力を欠く。次に2017年以降の主要株価指数と日本株を比較したチャート②を確認すると、直近は全体的に上値の重い展開となっているが、パフォーマンスの低下が鮮明となっているのは日本株のみであることがわかる。これら2つの比較チャートが示唆することは、北東アジアの地政学リスクは確かに日本株の下落要因ではあるが、主因はそれとは別にある可能性が高い、ということだ。

筆者はそれが、米国と日本の政治リスクに起因していると考えている。米国の政治リスクとは、トランプ大統領が米ドル高と米ドル安を同時に志向する政策を訴えていること、つまりトランプ政策の矛盾にある。また、低金利政策を志向するスタンスも鮮明にしてきたことで(WSJ電子版)、イエレンFRBによる金融引き締め政策への不透明感も新たな米国の政治リスクとして今後意識される可能性が出てきた。後者の点については、イエレンFRBによる今後の対応を確認する必要がある。よって、目先注視すべきは前者のトランプ政策リスクとなろう。18日に日米経済対話が開かれるが、第1回目ということもあり深い議論は行われないとの観測がある。だが、米国サイドは事前に貿易分野を重視する考えを日本サイドに通告済み。米中首脳会談で策定された「100日計画」で中国の牛肉輸入の制限が話し合われたこと、また豪州産の牛肉に日本のシェアが奪われている事実も考えるならば、米国サイドは食肉・農業分野に鋭く切れ込んでくる可能性があろう。国内政治が混乱する中、米国サイドとしては通商問題で点数を稼ぎたいとの算段もあろう。しかし、この問題で日本サイドが簡単に譲歩出来ないのはTPP交渉でもわかる。安全保障問題が喫緊の課題として急浮上しているタイミングで米国サイドの圧力を上手くかわせず日米経済摩擦が鮮明となれば、安倍政権への政策運営能力に対する不透明感が強まり、日本株の圧迫要因となろう。円相場では円高圧力がさらに強まろう。まずは日米経済対話にらみの相場をとなるだろうが、こ れを切り抜けても国内の政治リスクが台頭する場合、株安 /円高圧力が強まる可能性がある。詳細は明日以降のレポートにて。


【チャート①:日本株と韓国株のパフォーマンス比較】

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【チャート②:日本株と主要株式のパフォーマンス比較】

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