Market Analysis
米国株式が再び不安定化してきた。昨日の下落の主因は米長期金利ではなく、通商政策だった。トランプ米大統領は1日、鉄鋼とアルミニウムの追加関税を課す方針を表明。決定は来週に持ち越しとなったが、今後予想される中国との貿易摩擦を考えるならば(米通商政策のターゲットは中国)、米金利の変動リスクに加え、通商政策リスクも意識する局面へシフトしたと言えよう。注視すべきは通商政策リスクに対する米株の動向だが、昨日は上記の通り下落で反応した。欧州株のボラティリティも再び上昇ムードが出始めている点を考えるならば、このリスクは米株のみならず世界の株式市場の不安定化要因になり得ることを示唆している(チャート①)。このリスクの浮上は外為市場で米ドル安要因となるだろうが、下落幅の拡大が懸念されるドルストレートはドル円となろう。米ドル安圧力に加え、株安圧力が円高圧力を強める要因となるからだ。実際、昨日の米ドルは対円で1%以上下落したが、対ユーロの下落率は約0.6%にとどまった。持続的な米ドル安は米国内のインフレ圧力を高めることから、米長期金利の上昇要因ともなろう。そのような展開は、やはりドル円の下落圧力を強めよう。
本日のドル円は、引き続き下値トライを警戒したい。目先の焦点はフィボナッチ・プロジェクション38.20%が位置し、且つビッドが観測されている106.00の維持となろう。だが、株式市場の動向次第では105.00をトライする可能性がある。2月16日安値105.52の下方ブレイクは105.00トライのシグナルとして警戒したい。一方、上値の焦点は、短期レジスタンスラインおよび21日の攻防となろう。ドル円のテクニカルポイントはチャート②を参照。一方、フィボナッチ・リトレースメント38.20%でかろうじて反転したユーロドルは、米通商政策リスクを意識した米ドル安継続を想定し、10日MAの上方ブレイクを想定したい。これを達成する場合は、21日MAを視野に入れる展開となろう。一方、下値の焦点は、上記の38.20%戻しおよび昨年11月7日安値1.1552を起点としたサポートラインとなろう。1.2150にはビッドの観測あり。一方、1.2290から1.2300にかけてはオファーが断続的に観測されている。ユーロドルの上下のポイントはチャート③を参照されたし。
【チャート①:欧米株のボラティリティ】