Market Analysis
現在の円相場は株式動向に左右される状況が続いている。その株式市場は米株にらみの展開となっているが、注視すべきはナスダック100のボラティリティ(VXN)がVIX指数のそれを上回る水準で再び拡大していることだろう(チャート①)。米株高のけん引役であるハイテクセクターで先行き不透明感が強まる状況は、米株全体の不透明感を強める要因となる。米株安が続けば外為市場では円高圧力が強まろう。事実、株安局面での円高というパターンは昨日も健在だった。通貨オプション市場ではドルプットオーバー(円コールオーバー)の状況となり、短期リスクリバーサルは再び下方に拡大しつつある(チャート②)。市場は明らかにドル円の下落を警戒しているが、目先ドル円のトレンドを見極める上で重要となってくるのが、①米国指標データと②米中貿易関連の報道となろう。①で注視すべきは3月の米雇用統計であることは2日のレポートで指摘済み。一方、②に関しては流動的となろう。今週は中国サイドが報復関税の措置に踏み切った点がフォーカスされているが、この状況が継続するかどうかはトランプサイドの動向次第だろう。今月上旬にも制裁対象となる約1300品目を公表する見通しだが、中国サイドのさらなる反発を招く事態となれば(その可能性は高い)、貿易戦争の激化が意識され「株安→円高」の局面が散見されよう。同時に水面下では、全面衝突回避の交渉が行われており、ポジティブな報道が見られるならば、株式市場は再び反発しよう。
ドル円のチャートポイントだが、21日MAを完全に下方ブレイクしたことで下値トライのムードが強まっている。目先のサポートポイントは、プロジェクション38.20%が位置する105.30前後となろう。この水準は先月27&28日に相場をサポートした経緯がある。105.30をも下方ブレイクすれば105.00トライを警戒したい。この水準にはビッドとオプションバリアが観測されている。一方、反発する場合は、21日MAが再びレジスタンスラインとして意識されるかどうか、この点に注目したい。このMAの突破に成功しても、三度106.50で反落する可能性がある点は要注意。ドル円のテクニカルポイントはチャート③を参照。
【チャート①:米株ボラティリティ】