Market Analysis
直近の米株ボラティリティは、トランプ政権の動向を巡り不安定な状況に陥っている。2月上旬のボラティリティ拡大は米長期金利の急騰リスクが主因だった。一方、現在のそれは米政治動向へと変遷している。これまで米株高のけん引役であったハイテクセクター(ナスダック100)のボラティリティが、2月上旬以来の水準で高止まりしている(それに伴い実勢相場では短期レジスタンスラインが形成されている)状況を考えるならば、米政治を巡る報道で米株は不安定な状況が続くだろう。円相場は米株にらみの状況が続こう。
本日は米政治を巡る報道の他、2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の内容が重要材料となろう。市場予想は前年同月比で1.4%増。コアは同1.3%増と、ともに1月から上昇する見込みとなっている。直近のユーロドルは21日MAで上値がレジストされ、昨日短期サポートラインを下方ブレイク中。また、ユーロクロスで取引量が多いユーロ円は今年2月以降、ユーロポンドは3月以降軟調地合いへ転じている。冴えない地合いの中、HICPの下振れはドラギECBによる金融緩和スタンスの継続を市場に意識させ、ユーロ売り主体でユーロドルは下値トライの展開となろう。目先のサポートポイントは、先月20/21日安値レベルでありプロジェクション61.80%が推移している1.2230前後となろう。このポイントを一気に下方ブレイクする展開となれば、1.22割れを警戒したい。今日現在、1.2200レベルには昨年11月安値1.1552を起点としたサポートラインがクロスしている。一方、HICPが市場予想以上となれば反発を想定したい。このケースでは21日MAの攻防が焦点となるが、このMAで反落するならば、1.2200トライの可能性を常に警戒する相場が続こう。一方、突破に成功する場合は、1.2200-1.2500のボックス相場継続を想定したい。
ドル円は21日MAがレジスタンスへ転換しなかったことで、105.00-107.00を中心に売り買い交錯相場を想定したい。トレンドは株式動向次第となろう。上下のポイントはチャート③を参照。
【チャート①:米国株式】