Market Analysis
米中貿易リスク同様、シリアリスクもトランプ政権の言動により日々思惑が揺れ動き、それに伴い市場のリスクセンチメントも揺れている。欧米株式のボラティリティが低下傾向にある点を考えるならば、現在はリスク選好優勢地合いとなっている(チャート①参照)。この地合いが継続するかどうか、本日はシリア情勢を注視する必要があろう。
トランプ米大統領は12日、ツイッターで「Could be very soon or not so soon at all」とツイートし、シリアへの早期軍事介入に関し明言を避けた。昨日はこのツイートをポジティブに受け取った株式市場だが、シリア攻撃のリスクが完全に潰えたわけではない。突然の軍事介入となれば「株式反落→米長期金利低下→米ドル売り」の展開が想定される。21日MAをかろうじて維持しているユーロドルは、再び上値トライの展開となろう。このケースでの上値の焦点は、11日に突破に失敗し、且つオファーが観測されている1.2400の突破となろう。テクニカル面ではフィボナッチ・プロジェクション61.80%の攻防を注視したい。一方、ドル円は下値トライを想定し、まずはサポートラインとして意識されている日足転換線の攻防が焦点となろう。転換線の下方ブレイクは、日足基準線が推移し且つビッドが観測されている106.00トライのシグナルとして警戒したい。
逆にシリア情勢に変化が見られない場合はリスク選好相場が継続しよう。外為市場では米ドルを買い戻す動きが続こう。ユーロドルは21日MAを下方ブレイクし、1.22台へ反落する展開を想定したい。だが、トランプリスクに起因している米ドル安が根強い以上、1.22台は維持しよう。一方、ドル円はレジスタンスポイントとして意識されている107.50の攻防が焦点となろう。このレベルには引き続きオファーが観測されている。107..50の突破となれば、次のターゲットは108.00となろう。このレベルにもオファーの観測あり。
【チャート①:欧米株式のボラティリティ】