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株式市場と米ドル高けん制発言

Market Overview

17日の海外外為市場では、米ドル売りが継続した。この日の米国債券市場では米金利の低下圧力が再び強まり、米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは昨年11月30日以来となる2.305%まで低下する局面が見られた。米金利の低下は外為市場での米ドル売り圧力を強め、ドル円はNY時間に112.63レベルまで下落。一方、ユーロドルは昨年12月8日以来となる1.07台の到達に成功した(高値1.0719)。一方、米ドルは対ポンドでも下落した。メイ英国首相はこの日の演説でEU離脱交渉における最終的な合意は議会の承認次第というスタンスを表明。市場が警戒していたほどの強硬な離脱とはならないという観測が広がり、ひとまず調整のポンド買い入った。

米ドルは対資源国&新興国通貨でも下落した。原油先物相場(WTI2月限)は、サウジアラビアが減産合意を遂行する方針を示したことが好感され反発。CRB指数も昨年6月以来となる高値圏を維持したことで商品市況との相関性が高い資源国&新興国通貨買い圧力が強まった。

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Analyst's view

現在、米国情勢に関して筆者が注目しているのは、昨年11月の米国大統領選挙以降加速した米ドル高に対する米国要人の警戒レベルだ。13日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)とのインタビューでトランプ次期大統領は、中国の人民元操作批判とそれに伴う米ドル高にあらためて不満を表明した。また、トランプ次期政権の上級顧問に就任することが決まっている金融業界出身のアンソニー・スカラムッチ氏も17日、ダボス会議のパネルディスカッションにて米ドル高とそれに伴う新興国リスクについて言及。さらにはダドリーNY連銀総裁も同日の講演で、「最近の米ドル高は物価に下方圧力を加える」と言及してきた。筆者は、米株が崩れない限り明確な米ドル高けん制発言はないと想定している。しかし、その米株のパフォーマンスはここにきて頭打ち感が強まっている(下図チャート参照)。米金利の緩やかな低下、堅調な国際商品市況と新興国市場を考えるならば、現在のグローバル市場ではリスク回避圧力が強まっているわけではない。しかし、17日のレポート「不透明感強まる欧州通貨」でも指摘したように、欧州を震源としたリスクが米株の下落を誘発する可能性はくすぶっている(欧州株安→米株安)。また、トランプ次期政権自体が短期的にリスク要因となる可能性も出てきた。これに対する筆者の警戒感が高まったのが今月11日の記者会見だった。具体的な経済促進策には言及せず、米メディアとの亀裂の深さを印象付けただけにとどまったあの会見は、トランプ次期政権の政策運営能力に大きな不安を抱かざるを得ない内容だった。遅くとも今年後半までにはトランプ政権に参加した各要人や共和党の協力によって軌道修正(=現実路線の模索)が図られるだろう。だが、短期的にはトランプ政権の政策運営能力が米株の圧迫要因となる可能性がある点は要注意。

米株が崩れれば米国サイドの米ドル高に対する警戒レベルが一気に高まり、けん制発言が発信される可能性が高まろう。また、米株が崩れれば米金利の低下圧力が増すことで、米ドル相場の調整スピードが加速しよう。米金利低下と米株の下落が重なれば、円相場はドル円が円高の牽引役となろう。本日のチャートポイントについてはテクニカル分析レポート「IGテクニカル分析」を参照されたし。


【チャート:株式パフォーマンス比較チャート】

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