Analyst's view
昨日のドル円相場は、今年のトレンドを見極める難しさを改めて筆者に認識させた。目先の円相場は、円高リスクに注意すべきフェーズにあると筆者は指摘してきた。その通り、円高圧力が強まる局面へ突入していたが、昨日のトランプ発言でそのムードはひとまず一蹴された。ドル円は大陽線の示現により、5日MAおよび10日MAを一気に上方ブレイク。今年に入り大陽線が示現したのは、昨日を除くと4回。その翌日反落したのが2回(1月9日と1月25日)、続伸したのも2回(1月19日と1月27日)となっている。米株の最高値更新やグローバル株式の底堅さ、そして国際商品市況では調整が散見されるものの大きく崩れるムードは感じられない。このタイミングでトランプ政策への期待が再び台頭してきた現状を考えるならば、本日は続伸を想定したい。ただ、日米首脳会談が控えていることを考えるならば、昨日ほどの上昇幅は見込めない。上値ターゲットは113.50-60ゾーンとなろう。113.50前後には1月27日の戻りを抑えた21日MAが推移中。また、このMA上には、今年最高値118.60を起点とした短期レジスタンスも推移している(チャート①参照)。三度これらテクニカルで上値がレジストされる場合は、来週以降の111.60再トライの可能性を意識したい。
逆にこれらテクニカルを突破する場合は、1月下旬以降レジスタンスポイントとして意識されている115.50レベルを視野に上昇幅が拡大しよう。筆者が円高イベントとして警戒している日米首脳会談が無風で通過する場合、円安圧力も合わさることでこのような展開(=115.50レベルを目指す展開)となることが想定される。一方、下落リスクが高まっているユーロ円も、ドル円が反発するならば、その動きに追随しよう。目先の焦点は1月27日高値123.31レベルを起点とした短期レジスタンスラインの突破だが、ドル円が上述したテクニカルポイントの突破に成功すれば、121円ミドルまで反発する可能性が出てくる。このレベルは6日に大陰線が示現した高値水準であり、本日は21日MAが推移している(チャート②参照)。