Analyst's view
米10年債利回りは6日、昨年11月11日以来となる2.129%まで低下する局面が見られた。米金利の低下が続く限り、米ドル相場の反転はポジション調整以外では見当たらないのが現状だ。8日のリスクイベントを考えるならば、本日も「米金利低下→米ドル安」を想定したい。
米金利の低下圧力が続くことを想定するならば、ドル円は引き続き下値トライを警戒したい。サポート水準は、株式動向次第で決定されよう。6日のレポート「ドル円は下値トライ / ユーロドルは上値トライ」で指摘した109.60レベルは昨日、あっさりと下方ブレイクした。これまでは「米金利低下=米ドル安」を「株高=円売り」が相殺してきたが、6日はその相殺要因がなくなったため、上記の展開となった。明日のリスクイベントを考えるならば、本日も株式市場は上値の重い展開となる可能性が高い。よって、ドル円は「米金利低下 / 株安」のダブルパンチにより109.00の下方ブレイクを警戒したい。株安の進行度合いによっては、108.50レベルに観測されているビッドをこなし、現時点での今年安値108.13再トライもあり得る(チャート①参照)。
ただ、ボラティリティを確認する限り、株式市場ではリスクセンチメントが急速に悪化しているわけではない(チャート②参照)。よって、本日「ドル安 / 円高」へ振れても8日のリスクイベントをこなした株式市場が再び株高ムードを強める可能性は高い。その場合、米金利への低下圧力も後退しよう。ドル円がセリング・クライマックスとなるかどうか、まずは8日のリスクイベント、特にコミー前FBI長官の上院情報特別委員会での証言内容が注目される。