Analyst's view
本日の焦点は米指標データとなろう。特に注目されるのが6月小売売上高と同月 消費者物価指数(CPI)となろう。小売売上高は、個人消費を見極める上で重要な指標である。抑制された賃金動向を反映し、コア指数(除自動車)が市場予想の0.2%増(前月比)を下回るならば、米金利の低下要因となり得る。
だが、米金利へのインパクトがより大きいのは、やはりCPIの方だろう。イエレンFRB議長とハト派の代表格であるブレイナード理事は今週の証言 / 講演にて、インフレ動向が追加利上げペースの決定要因と明言している。2017年以降、鈍化の一途を辿っているインフレがFED内の懸念材料として浮上していることを市場も感じ取っており、6月CPI、特にコアCPI(市場予想:前月比0.2%増 / 前年同月比1.7%増)の鈍化が止まらなければ、FEDの追加利上げペースに対して不透明感が高まろう。
「冴えない指標データ→米金利の低下」となれば、外為市場は米ドル安で反応しよう。ドル円はサポートポイント112.80レベルを下方ブレイクし、ビッドが観測されている112.50前後を目指す展開を想定したい。また、112.53前後では21日MAも推移している。112.50レベルは、オーダー状況とテクニカルの両面で重要サポートポイントとなろう(チャート①参照)。21日MAを下方ブレイクするならば「米金利低下→米ドル安」に加え「米株安→円高」の状況が同時に発生する時だろう。
逆に上記の指標データがそろって市場予想を上回るならば、「米金利上昇→米ドル買い」の展開を想定したい。米株も素直に株高で反応しよう。「金利上昇+株高」はドル円の押し上げ要因となろう。上値の攻防分岐は11日高値114.50。このレベルにはオファーが観測され始めている。突破に成功するならば、節目の115.00トライを想定したい。このレベルには厚いオファーとオプションバリアが観測されている。一方、ユーロドルのチャートポイントだが、トップサイドは厚いオファーが観測されている1.15となろう。ダウンサイドへ振れる場合は、1.1320前後まで上昇中の21日MAの維持が焦点として浮上しよう。このMAをトライするシグナルとして2つの短期サポートラインの攻防に注目したい(チャート②参照)。