北東アジアの地政学リスクはくすぶり続けているが、米欧の株式ボラティリティに大きな変動は見られない。一方、日韓の株式ボラティリティは地理的要因から上昇基調にある。だが、いずれもフランスリスク時の水準や8月中旬の水準に到達していない状況を考えるならば、今回の地政学リスクも一過性の現象で終わる可能性がある。
株高維持ならば、円相場ではクロス円が堅調に推移しよう。特に金融政策が引き締め方向にある(その期待がある)が故に、米ドル安の恩恵を受けやすいカナダドルや豪ドルは、対円で堅調に推移する可能性が高いだろう。尚、本日の豪ドル相場は、豪準備銀行(RBA)イベント(声明文の内容)で大きく変動する可能性あり。一方、ユーロ円はECBイベント前のユーロ高調整を警戒したい。テクニカル面での下値攻防分岐は21日MA。8月29日および9月4日にこのMAがサポートラインとして意識され長い下ヒゲが示現し、反転した経緯がある。
一方、ドル円は引き続き108.00-111.00のレンジ相場を想定したい。現状、通貨オプション市場ではドルプット(1か月)の需要に大きな変化は見られない。米金利の低空飛行状態が続いているにもかかわらず(=米ドル安圧力がかかりやすい状況にもかかわらず)、プットの需要が高まっていない点は、株式市場が大きく崩れない限りドル円が急落するリスクが低いことを示唆している。本日の下値の焦点は109円台の維持となろう。109.20と109.00にはそれぞれビッド(米ドル買いオーダー)の観測あり。一方、上値は110円台の再上昇が焦点だが、テクニカル面では直近安値108.27からの38.20%戻しにあたる110.65の攻防が注目される。このテクニカルの突破は、8月以降相場をレジストし続けている111.00トライのシグナルと想定したい。
ユーロドルも引き続き1.18-1.20のレンジ相場を想定したい。本日の下値攻防分岐は、短期サポートラインが推移している1.1830前後。一方、上値のそれは昨日トライに失敗した1.1950レベルとなろう。