Market Analysis
ユーロ圏の2月消費者物価指数速報値は前年同月比で1.2%増と、前回の1.3%から鈍化した。投機筋のユーロロングが未だ12万枚以上積み上がっており、且つ米利上げペースの加速が意識されているタイミングでのインフレ鈍化は、短期的なユーロ高の調整地合いを促す材料となり得る。実際、昨日のユーロドルは、昨年12月18日安値1.1736レベルを起点とした短期サポートラインを大陰線で一気に下方ブレイクした。10日&21日MAがレジスタンスラインとして意識され連日1.2360レベルで上値がレジストされた経緯も考えるならば、テクニカル面でも「ユーロ高 / 米ドル安」調整地合いの継続を想定したい。次の下値ターゲットは、昨年11月7日安値1.1552を起点としたサポートラインとなろう。リトレースメント38.20%戻しの下方ブレイクは、このラインをトライするシグナルと想定したい(チャート②)。
対ユーロでの持続的な米ドルの買戻しは、他の米ドル相場のサポート要因となるだろう。このタイミングで米長期金利が3.0%を一気に目指す展開となれば、株式市場と国際商品市況は総崩れとなろう。実際、米株のボラティリティは再び上昇ムードにあり、国際商品市況は続落している(チャート①)。これらの市場が再び不安定化するならば、米ドル相場の中でドル円だけは下値トライの展開を警戒したい。実際、昨日は短期レジスタンスラインの突破に失敗し、106円台へ再び下落している。株安再燃となれば、円高圧力の方が米ドル買い圧力よりも勝ることで、2月16日安値105.52を目指す展開となろう。このサポートポイントの下方ブレイクは、心理的節目でありビッドが観測されている105.00トライのシグナルと想定したい。一方、上値の攻防分岐は108.00で変わらず。このレベルには引き続きオファーの観測あり。21日MAの上方ブレイクは108.00トライのシグナルと想定したい。
【チャート①:国際商品市況とドルインデックス / 米株ボラティリティ】