Market Analysis
米株は続伸。ボラティリティは未だ警戒水準の20ポイントを上回る水準で推移しているが、投資家のセンチメントは徐々に改善傾向にある。昨日、株高要因となったのが良好な雇用関連指標だった。米指標データが米株安定化の重要なファクターとなることは、先月29日のレポート「米四半期決算と指標データにらみの1週間」でも指摘したとおり。その指標データに敏感に反応した事実は、本日の10月ISM製造業指数そして明日の同月雇用統計の重要さを示唆している。
本日のドル円は引き続き底堅い展開を想定。ISM製造業指数が市場予想(59.0)を上回る場合、米国市場のリスク選好相場継続を背景に上値トライの展開となろう。目先の焦点は昨日高値113.38の攻防。このレベルの突破は10月8日高値113.94トライのシグナルと想定したい。逆にISM製造業指数が市場予想を下回る場合は、「米株の反落→長期金利の上昇圧力後退」を背景に113円割れの展開を意識したい。だが、リスクリバーサルの動向から判断するに、ドル円急落の可能性は低い。まずは昨日安値112.79の維持が焦点となろう。このポイントを下方ブレイクしても112.50前後でサポートされる展開を想定したい。一方、ユーロドルは調整の反発を想定。8月15日以来となる1.1300割れの局面が見られたが、NYクローズでは1.13台をかろうじて維持した。あらためてこのレベルでの底堅さが確認されたことで、明日の雇用統計前に10日MA(1.1395)を上限に一度反発する展開を意識したい。だが、米欧ファンダメンタルズの格差は歴然としており、1.1300の完全ブレイクがベースシナリオであることに変更はない。1.12台の攻防で注視すべきテクニカルポイントは、今年2月高値1.1255からのリトレースメント76.40%の水準1.1230レベルとなろう。尚、本日はBOEイベント(Super Thursday)がある。冴えない内容となった第2四半期GDP統計、前年比2.0%以上の水準で推移しているが鈍化傾向にあるインフレ動向、そしてアイルラン問題がネックとなっているBREXITリスクを意識し、カーニーBOEが英国経済の先行きについて厳しい見方を示す場合、継続的な利上げに懐疑的な思惑が広がろう。外為市場では買戻し基調にある英ポンドに再び売り圧力が高まる展開が想定される。英ポンド安は、上述した調整のユーロ買い圧力を高める要因となろう。
【チャート①:ドル円】