Market Analysis
直近のユーロ高を受け、欧州のキーマン達によるけん制発言の回数が増えてきた。CFTCのユーロ買い越しが14.4万超まで積み上がっている点に加え、標準誤差回帰分析バンドで上値がレジストされ、且つRSIが70.00以上から以下へ低下しているテクニカル動向も考えるならば本日以降、調整相場を意識したい。だが、良好なファンダメンタルズとECBによる量的緩和解除の思惑を背景にドイツの長期金利は0.56%台の水準を維持している。また、リスクリバーサルが再び拡大するムードも感じられない。これらの動向を考えるならば、ドイツの政治リスクが再燃しない限り、調整相場となっても下落幅は限定的となろう。目先は10日MAの攻防を注視したい。このMAを下方ブレイクしても、ドイツ金利とリスクリバーサルの動向を考えるならば、2つの短期サポートラインで相場が反転する展開を想定したい(チャート①参照)。一方、上値の攻防分岐は昨日高値1.2322を想定。
一方、ドル円はユーロドルと米長期金利にらみの展開となろう。ユーロドルは調整相場へシフトする可能性がある。そのような展開となれば、ドル円のサポート要因となろう。持続的な反発は米長期金利の動向次第だが、新たなレジスト水準として2.6%が意識され始めている。2.6%突破の鍵は米指標データにあろう。「良好な米指標データ→米長期金利2.6%台へ上昇→米独利回り格差拡大→ユーロドル調整」の展開となれば、日足転換線のトライを想定したい。一方、米長期金利の上昇が抑制される場合は110円台へ反落する展開を想定。下値の攻防分岐は、昨日相場をサポートしたリトレースメント61.80%の110.15レベルで変わらず(チャート③参照)。