Market Analysis
週明けの外為市場は米ドル安でスタートした。興味深いのは、欧州の政治リスクに直面しながらユーロが対米ドルで反発したことである。この主因は、現在のユーロドルは金利動向がトレンド決定要因となっていることにある。9月FOMC以降、米独利回り格差とユーロドルは順相関の関係にあることがわかる(チャート①、米ドル/ユーロで表記)。現在の米長期金利は3.261%まで急騰後、3.15%台を中心に上昇圧力が抑制されている。だが、原油高が続く限り低下幅は限定的となろう。米長期金利に再び上昇圧力が高まるには、米株の安定化が条件となろう。その米株だが、週明けは下落スタートとなった。しかし、VIX指数はリスク回避相場が本格化すると思われる25ポイント手前で失速(チャート②)。このまま警戒水準の20ポイント以下へ低下する(=米株が安定化する)要因として注視すべきは四半期決算となろう。12日から米金融セクターを皮切りに決算発表が始まっているが、大手銀行のそれらは増収増益となった。金融セクターに続き良好な決算内容が続けば、米株は安定化に向かおう。米株が安定化すれば米長期金利は緩やかに反発し始め、そのタイミングで欧州政治リスクが改めて意識されることで、ユーロドルは再び下落基調を辿ると予想する。上下のチャートポイントについては、15日のテクニカルレポートの内容から大きな変更はない。本日の上値攻防分岐は21日MA(1.1610前後)、下値のそれは10日MA(1.1532前後)を想定している。
一方、ドル円だが、日米利回り格差が縮小したタイミングよりも世界の株式が不安定化したタイミングでドル円が下落している点を考えるならば、株式市場との相関が高いことがわかる(チャート③)。本日も株式にらみの展開となろう。目先の下値攻防分岐は、104.55を起点とした短期サポートラインと114.54からの61.80%戻しがクロスしている111.60前後となろう。株式反発によりドル円が反転する場合は、112.50の突破が上値の焦点となろう。一方、株安継続の場合は、108.10を起点とした短期サポートラインまでの下落を警戒したい。