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ドル円は「米金利低下 VS 株高」の綱引き状態へ

Market Overview

26日の海外外為市場は、米ドル安優勢の展開となった。7月FOMC声明を受け各ゾーンの米金利が低下。この動きを受け外為市場では米ドル安圧力が強まり、ドル円は高値112.20レベルから111.06レベルまで下落した。ユーロドルは1.1740レベルまで米ドル安が進行した。主要な欧米株式は、良好な企業決算と原油高が好感され堅調推移となった。ユーロ高を受けて尚、STOXX欧州600は続伸。米国株式市場ではダウ平均が1週間ぶりに最高値を更新した。ナスダック総合も3日連続の最高値更新となった。NY原油先物9月限は米石油在庫の減少が好感され続伸。一時、48.87ドルと6月1日以来の水準まで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

年後半の米金融政策について「バランスシートの縮小開始は9月、利上げは12月」― 7月FOMC声明は、このような市場コンセンサスを形成させる内容だった。注視すべきは、バランスシート縮小のタイミングに関する文言の変更だろう。6月の声明文では「The Committee currently expects to begin implementing a balance sheet normalization program this year年内に開始」とした。だが7月のそれでは「The Committee expects to begin implementing its balance sheet normalization program relatively soon-比較的早期に開始」と変更された。今月中旬にカプラン・ダラス連銀総裁が「バランスシートの縮小は9月」とシグナルを発信してきたが、実際にFOMC声明で早期開始を示唆したことで、市場は「FEDが利上げよりもバランスシート縮小の方に軸足をシフトしてきた」点を意識しよう。バランスシートの縮小自体は米ドル高要因である。しかし、現状は利上げペースの不透明感につながりやすい。事実、昨日の米国債券市場では金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りが、1.403%から1.351%まで急低下した。FEDがバランスシート縮小で焦る理由は2つある。ひとつは、来年2月で任期切れとなるFRB議長の人事が不透明な点だろう。不透明である以上、イエレン氏が在任中、早期にバランスシート縮小の道筋をつけたいとの思惑が透けて見える。もう一つの理由が、インフレの鈍化である。2017年に入り急速に鈍化するインフレを考えるならば、FEDが利上げを急ぐ理由はない(9月利上げを実施する理由がない)。トランプ政策への不透明感だけでなく、利上げペースへの不透明感まで意識され始めてきた状況を考えるならば、米金利が持続的な上昇基調を描くのは難しくなってきた。
ドル円は目先「米金利低下=米ドル安」を「株高=円安」が相殺する相場環境へシフトする可能性が高い。だが、2017年以降、米金利との相関性が高まっている事実を考えるならば、緩やかな下落トレンドの形成を想定したい(チャート①参照)。本日のドル円は、再び日足の雲が攻防分岐となろう。111.60前後で推移している下限を下方ブレイクすれば、節目の110円トライの可能性が高まろう。逆に株高維持によりサポートされるならば、111.00-112.00を中心としたレンジ相場を想定したい(チャート②参照)。リトレースメント38.20%の1.1736レベル(過去3年間の高安1.034-1.4)を突破したユーロドルは1.18を目指す可能性が出てきた。反落しても通貨オプション市場におけるユーロコール需要の高まりを考えるならば、1.16台は維持しよう。


【チャート①:ドル円と日米利回り格差】

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【チャート②:ドル円のテクニカルチャート】

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