Market Analysis
17日に公表されたFOMC議事要旨では、堅調な労働市場をベースとした持続的な景気の拡大に言及し、漸進的な利上げを進めていく方針を維持することが議論されたことが判明。中立金利については、金融政策を考慮する上での数あるファクターのひとつに過ぎないと示唆した。今後の経済状況によっては、一時的に中立金利を越える利上げを容認する可能性があろう。FOMC議事要旨の公表後、米長期金利は3.2%台へ再上昇した。現在、金利の上昇局面で注視すべきは米株の反応である。その米株は17日、主要3指数が反落した。しかし、取引終盤にかけて買戻しが入り下落幅は縮小。底堅さが戻っていることを市場関係者に印象付けた。金利の上昇に連動し株を買い戻す局面が見られたこと、またVIX指数は17ポイント台を維持し、金利の上昇にヒステリックな反応を示さなかった状況も考えるならば、3.20%は米株高トレンドが耐え得る金利の適正水準として織り込まれ始めた。次の焦点は、10月9日付けた3.261%の水準を突破する際の米株の反応となろう。株安圧力を高めたこの水準を突破してなお株高維持となれば、3.00~3.10%と同じく、3.20%台も金利の適正水準として完全に織り込まれた可能性を意識したい。
本日のドル円は引き続き四半期決算と米株にらみの展開となろう。米長期金利の上昇を背景に外為市場で米ドル買い圧力が高まるタイミングで米株が上値トライとなれば、21日MA(112.97前後)を突破し113円台の攻防シフトを想定したい。一方、下値は112円台の維持が焦点となろう。113.00にはオファーが観測されている。
ユーロドルは金利動向にトレンドが左右されよう。本日は、米独利回り格差の拡大を意識した下値トライを警戒したい。焦点は10月9日安値1.1429の攻防となろう。このサポートポイントの下方ブレイクは1.1400トライのシグナルと想定。一方、反発する場合は、10日MA(1.1533)がサポートからレジスタンスへ転換する可能性を意識したい。1.1430および1.1400にはビッドが観測されている。