Analyst's view
昨日の米10年債利回りは、2.475%まで上昇する局面が見られるも、その後は一転して低下。2.4%台での米債買いの需要の強さを再認識する相場となった。だが、次期FRB議長の人選を巡る思惑と大規模税制改革(=トランプ減税)への期待を背景に、目先の米金利は反発基調を維持する可能性が高い。また、トランプ減税は米株高要因でもあることから、今後も株高トレンドは続く公算が高い。株高も米金利の反発要因となろう。
ドル円は引き続き上値トライを想定したい。攻防分岐は7月の戻り高値114.50で変わらず。直近のオーダー状況を確認すると114.50にはオファー、上の水準にはストップが観測されている。また、114.30-40にもオファーの観測あり。株高や投機筋が保有する円ショートポジションの調整が入る場合は下値トライとなるだろう。だが、リスク回避(=株安)相場とならない限り、下落幅は限定的となろう。テクニカル面では、現時点での今年最安値107.31を起点とした短期サポートラインの維持が焦点となろう。このラインを下方ブレイクしても21日MAまでの反落ならば、調整の範囲内と想定したい(チャート②参照)。
また、ドル円の変動要因として、本日はECBイベントにも注目したい。23日のレポート「ドル円は上値トライ ユーロドルは下値トライを想定」で指摘したとおり、量的緩和の段階的縮小(=テーパリング)に対するドラギECBの決断がハト派的となれば、ユーロドルは下落しよう。対ユーロでの米ドル高はドル円のサポート要因となろう。一方、可能性は低いがタカ派の内容となれば、ユーロドルは現時点の今年債高値1.2092を起点とした短期サポートラインを視野に上昇しよう(チャート③参照)。対ユーロでの米ドル安は、ドル円の上値を抑制しよう。