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イエレンFRB内のコンセンサスは「3月利上げ」

Market Overview

2日の海外外為市場は、昨日に続き米ドル買い優勢の展開となった。この日発表された新規失業保険申請件数(2/25までの週、季節調整済み)が約44年ぶりの水準(前週比22.3万件)まで低下した。また、イエレンFRB内で超ハト派と目されているブレイナードFRB理事までがハーバード大学での講演で早期利上げを示唆したことで、米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2月15日以来となる2.5%台乗せの展開に。米金利の上昇は米ドル買い圧力を強め、ドルインデックスは1月11日以来となる102.26レベルまで上昇する局面が見られた。ドル円は114.59、ユーロドルは1.0492までそれぞれ米ドル高が進行した。

海外株式動向だが、この日は強弱まちまちの展開となった。欧州株式は決算がらみで売り買いが交錯する展開に。米国株式は直近の上げ相場の反動から利益確定売り優勢の展開となり、終始マイナス圏で推移した。米内国歳入庁(IRS)の調査を受けていると報道された建機大手キャタピラーの株価が4%以上急落したことも相場の重しとなった。一方、NY原油先物4月限は前日比2%を超える大幅続落の展開に。過去最高水準にある米原油在庫とロシアの減産ペースが後退していることが相場の重しとなった。また、米ドル高が進行していることでNY金先物4月限も前日比でマイナス1.37%の下落となった。

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Analyst's view

今年に入り、トランプ相場には2つの変化が発生していると、このレポートで指摘してきた。ひとつめの変化は、トランプ政権の通商政策(=米ドル安政策)が意識され、トランプ相場から米ドルがいち早く脱落したことだ。もうひとつは、トランプ政策とイエレンFRBの金融政策に対する不透明感を背景とした米金利の不安定化だった。米ドル相場が昨年の米大統領選挙後のような上昇基調へ回帰するためには、米金利の安定化が必須条件である。この条件をクリアしたと判断する材料として注視すべきは、米国市場の共存関係への回帰、つまり株高と金利上昇が同時に発生しているかどうかである。そして今週に入り、米国市場がその共存関係へ回帰しているムードが出始めている。米株(S&P500)と米金利(10年債利回り)の年初来パフォーマンスを比較しているチャート①を確認すると、米金利が再びプラス圏へと急反発し、米株とのパフォーマンスかい離を埋めつつあることがわかる。米金利が急反発している主因は、上述した不透明要因のひとつ、イエレンFRBの金融政策の方向性がはっきりしてきた点にある。2月中旬前後よりFEDスピーカーによる3月利上げに向けた地ならし発言が続いている。昨日は、エバンス・シカゴ連銀総裁とともに超ハト派と目されているブレイナードFRB理事までが早期利上げについて前向きな発言をしてきた。同じくハト派のイエレン議長やダッドリーNY連銀総裁も3月利上げの可能性を想起させる発言をしていることを考えるならば、イエレンFRB内のコンセンサスは「3月利上げ」で固まっている可能性が非常に高い。金利先物市場もこの点を敏感に感じ取り、直近の3月利上げ確率は先週の20%台から78.6%まで急上昇している。
株高に続き3月利上げがメインシナリオとして浮上してきた現状を考えるならば、ドル円の111.60トライの可能性は後退していると判断したい。ただ、米国市場が共存関係に回帰しつつある中でも上値は重い。この点は米通商政策リスクが意識されているためだろう。トランプ相場へ再び回帰するかどうか、まずはブラックアウト期間直前に設定されたFEDツートップ(イエレン&フィッシャー)講演(日本時間4日午前3時)と2月15日高値114.96レベルでの攻防を見極める必要があろう。


【チャート①:米株と米金利のパフォーマンス】

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【チャート:ドル円】

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