Analyst's view
本日は日銀イベントがあるが、各市場のトレンドを左右するようなイベントとはならないだろう。金融政策決定会合後に経済・物価情勢の展望(展望リポート)が公表される。2017年の物価見通しの引き下げを行う可能性はあるが、すでに報道されていることから市場への影響は限定的だろう。また、黒田総裁の会見でも目新しい材料が提供される可能性も低いだろう。
ここ数日間で米金利と米ドル相場のトレンドを左右する材料は、次期FRB議長を巡る人事となろう。トランプ米大統領がハト派のパウエル現FRB理事の指名に傾いているとの報道が先週より散見される。これを受け、直近の米10年債利回りは再び2.40%の水準を割り込む展開となっている。FOMC終了後の11月2日にも次期議長を発表する見通しとのことだが(米CNBC)、実際にハト派の人物が就任する場合は短期的に米金利に低下圧力が強まる可能性がある。米金利の低下は米ドル売り圧力を強める要因となろう。しかし、パウエル就任観測報道ですでに米金利は低下し始めており、11月に入ればトランプ減税に対する期待が再び高まる可能性が高い。また、副議長にタカ派の人物が就任する可能性も考えるならば、次期議長にハト派の人物が就任しても米金利の低下幅は限定的となろう。
本日のドル円は112円台への攻防シフトを想定したい。上述した次期FRB議長の人事を巡る思惑の他、ロシアゲート疑惑の再燃も米金利の低下要因となり得る。またテクニカル面では、現時点での今年最安値107.31を起点とした短期サポートラインを下方ブレイクしている。本日、下値攻防分岐の21日MAを下方ブレイクする展開となれば、下落幅が拡大する可能性が高まろう。一方、ユーロドルは、本日も上値トライを想定したい。目先の上値攻防分岐は1.1660台となろう。突破に成功すれば1.17台へ再上昇する展開を想定したい。だが、米欧金融政策のコントラストやスペインの政治リスクを考えるならば、反発基調は一時的と想定しておきたい。詳細はテクニカルレポートにて。