Analyst's view
2.50%の水準が米長期金利の新たな抑制水準として意識され始めている。27日は、米独と日米の利回り格差が縮小したことでユーロドルは上昇し、ドル円は上値の重い展開となった(チャート①参照)。これらの動向は、米長期金利のトレンドが両通貨ペアの方向性に大きな影響を与えることを示唆している。2.50%突破には良好な指標データ、特にインフレ関連のそれらを確認する必要がある。本日は新規失業保険申請件数と12月のシカゴ購買部協会景気指数が発表されるが、市場の焦点は来週以降の重要指標データにシフトしている。よって、年内の米長期金利は2.50%以下での推移が想定される。外為市場では、引き続き米ドル安優勢の展開を想定したい。
ドル円の焦点は、短期レジスタンスラインでの攻防で変わらず。114.73-113.74ライン(チャート②/白ライン)は突破する局面が見られるものの、114.73-113.63ライン(チャート②/黄ライン)で上値がレジストされている。米長期金利が抑制状態にある点を考えるならば、後者の短期レジスタンスラインをローソク足の実体ベースで完全に突破するのは来週以降の可能性が高い。だが、世界的な株高トレンドが継続し国際商品市況も堅調に推移していることを考えるならば、レジスタンスラインで反落しても、下値の攻防分岐である日足転換線でサポートされる展開を想定したい。ドル円のテクニカルポイントはチャート②を参照されたし。一方、ユーロドルは昨日、直近安値1.1716からの76.40%戻しの突破に成功する局面が見られた。リスクリバーサル(1W / 1M/ 2M)もユーロ相場の堅調地合いを示唆している。米長期金利が抑制状態を保つ可能性を考えるならば、本日の焦点は現時点での12月高値1.1940および11月高値1.1960のトライとなろう。これらのゾーンでは断続的にオファーが観測されている。一方、下値の焦点は日足基準線もしくは21日MAの維持となろう。ユーロドルのテクニカルポイントはチャート③を参照されたし。