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米中貿易摩擦の動向と米株の反応を注視

Market Summary
1日の海外外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。FOMCは予想通り景気の先行きについて強気のスタンスを維持すると同時に、利上げの正当化をあらためて主張する内容だった。FOMC前に調整の米ドル売りが散見されたが、FOMC後再び米ドル買い圧力が高まり、ユーロドルは1.1654まで下落した。一方、欧州タイムから上値が徐々に重くなっていたドル円もFOMC後に反発ムードが高まり、安値111.38から111.74まで切り返した。
米株は強弱まちまちの展開となった。米中貿易摩擦の懸念が再び台頭したことで、ダウ平均とS&P500指数は下落。一方、ナスダック総合指数はアップルの好決算を追い風に、前日比35.497ポイント高の7707.286と続伸した。NY原油先物9月限は米国の原油在庫が予想外に増加したことが判明し、前日比1.10ドル安の1バレル=67.66と続落した。一方、NY金先物12月限は外為市場での米ドル高を受け、前日比6.0ドル安の1トロイオンス=1227.6と反落して終えた。

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Market Analysis
良好なファンダメンタルズをベースに段階的な利上げを行っていくー FOMC声明は予想通りの内容となった。米ドル買いで反応したのも想定の範囲内である。米2年債利回りが2.7%を視野に入れ、且つ景気動向に敏感な10年債利回りが3.0%の水準へ再び到達している状況も考えるならば、金利動向は米ドル相場のサポート要因となろう。一方、米株だが、金利の上昇に対する耐性が高まっていることを考えるならば今年初めのように急落する可能性は低い。よって、目先のドル円は、調整を挟みながら113円台を視野に入れた緩やかな上昇シナリオを想定している。このシナリオが崩れるならば、それは金利の上昇以外による米株の下落となろう。その懸念材料として目先注視すべきは、やはり米中貿易摩擦の動向である。四半期決算がピークアウトへ向かう中、市場はすでに次の材料を求め始めている。このタイミングでトランプ米大統領は2000億ドル相当の第3弾対中制裁関税を当初の10%から25%へ引き上げるよう指示した。7月6日に第1弾として340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課し、さらに8月中にも第2弾の160億ドル相当の中国製品に対しても25%の関税を課す予定となっている。だが、第3弾の関税対象は米GDPの約7割を占める個人消費のネガティブ要因となり得る点で、これまでの追加関税とは趣が異なる。食品や日用品が対象に含まれるからだ。指標データという具体的な数値の落ち込みが確認されない限り、この貿易問題は一過性のリスク回避相場を誘発する材料に過ぎない。しかし、第3弾の対中制裁関税が発動されれば各指標データが悪化する前に、将来の個人消費の落ち込みを懸念した株安圧力が高まる可能性について今後警戒すべきだろう。

本日のドル円は売り買い交錯相場を想定したい。米中貿易摩擦問題が上値の抑制要因となろう。だが、米経済のファンダメンタルズとそれをベースとした9月利上げ観測がサポート要因となろう。想定レンジは110.80-112.20。111.30-111.00ゾーンおよび110.80にはビッドの観測あり。
ユーロドルは1.1600トライを意識したい。トライアングルの下限(1.1607)のブレイクはそのシグナルとなろう。1.1650および1.1600にはビッドが観測されている。一方、上値の焦点は1.1725前後で推移しているトライアングルの上限となろう。

【チャート①:米長期金利】

us 10years yield 米10年債利回り

【チャート②:ドル円】

ドル円 USDJPY

【チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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