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焦点は米CPIと税制改革の進捗状況

Summary

今週は、10月の米CPIと税制改革審議の進捗状況が市場の関心を集めるだろう。CPIで注視すべきはコア指数だが、前年同月比1.7%で抑制されている低インフレ状況に変化が見られなければ、米金利反発の抑制要因となろう。逆に市場予想1.7%を上回る内容ならば、米金利には上昇圧力が強まろう。前者ならば外為市場では米ドル買い、後者ならば米ドル安を想定したい。また、大規模減税改革(=トランプ減税)の下院可決の動向に関する報道があれば、こちらも米金利と米ドル相場の変動要因となろう。

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Analyst's view

米ドル相場のトレンドに大きな影響を与える米10年債利回りは、再び2.4%の水準を視野に反発基調へ転じている。この状況が続くかどうか、今週は10月米CPIが鍵を握るだろう。コア指数(前年同月比)は5月以降、1.7%で横ばい推移が継続中。FEDのインフレターゲットであるPCE(同比)も1.3%で低迷する中、CPIでも同じ状況が確認されれば、米金利の反発圧力を後退させよう。逆に市場予想の1.7%を上回るならば、10月下旬にキャップされた2.48%の水準を視野に反発基調の継続を想定したい。
CPIコアで低インフレ状況の継続が確認される場合、外為市場ではドルインデックスが短期サポートラインを下方ブレイクする米ドル安を想定したい(チャート①)。米ドル安圧力を背景にドル円は、厚いビッドが観測されている113.00ブレイクを警戒したい。株式市場がさらに調整色を強めるならば、111.50レベルを視野に下落幅が拡大する可能性もあろう。一方、CPIコアが市場予想以上となれば、外為市場では米ドル買いの展開を想定したい。ドル円は、異次元緩和導入後に付けた高値125円台を起点としたレジスタンスラインを視野に上値トライとなろう(チャート②)。ユーロドルは、オファーが観測されている1.1700が新たなレジスタンスポイントとして意識されると同時に、1.1500を視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう(チャート③)。尚、1.1550と1.1500にはビッドの観測あり。
米CPI以外に注視べきは、トランプ減税の進捗状況となろう。先週、上院/下院それぞれの修正案が出そろった。しかし、両院の案には隔たりがある。今後、この隔たりをスピード感を持って埋めることが出来るどうか、この点がトランプ減税を巡る最大の焦点となるだろうが、まずはライアン下院議長が示唆している今月23日までに下院で採決されるかどうか、この点を巡る動きが米金利と米ドル相場の変動要因となる可能性がある。
尚、今週は要人の講演が目白押しの週となっている。本日はハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、コンスタンシオECB副総裁そして黒田日銀総裁の講演がそれぞれ予定されている。


【チャート①:ドルインデックス】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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