Analyst's view
年内の税制改革期待が意識され米国株式は株高で反応した。米長期金利もNYタイム後半に入ると上昇圧力が強まった。しかし、2.4%の水準を一気に回復する展開とはなっていない(チャート①参照)。この点は、18日のレポート「米ドル買い優勢も上昇幅は長期金利次第」で指摘したとおり、低インフレに対する思惑が税制改革期待の相殺要因となっている。本日も米ドル買いの局面は散見されるだろうが、上昇幅は米長期金利の動向次第で決定されよう。
ドル円は引き続き堅調地合いを想定したい。米長期金利の反発圧力が抑制されても、株高トレンドが維持される限り、円高圧力が高まる可能性は低い。その株式市場のボラティリティを確認すると、日米欧ともに低下基調にある(チャート②参照)。目先、リスク回避圧力を強める要因が見当たらないことも考えるならば、調整が散見されならがも、現在の株高トレンドは継続する公算が強い。また、日米利回り格差が徐々に拡大傾向にあることもサポート要因となろう(チャート③参照)。上値の攻防分岐は112.90レベルを想定したい。この水準の下には、昨日上値をレジストした10日MAおよび転換線が推移中。一方、下値の焦点は112円台の維持となろう。
ユーロドルは、トライアングルの攻防が焦点となろう。米独利回り格差が拡大傾向にある点を考えるならば、意識すべきはトライアングル下限のブレイクの方だろう(チャート③参照)。ユーロが買い戻されても、トライアングルの上限でレジストされる展開を想定したい。チャート分析の詳細は、別途テクニカルレポートを参照されたし。