Analyst's view
米下院に続いて、上院も税制改革法案を話し合う両院協議会の審議入りを可決した。これにより税制改革案(=トランプ減税)の年内可決の可能性が少し高まってきた。6日の米長期金利(=10年債利回り)は、11月28日以来となる2.314%まで低下する局面が見られた。時間外は2.34%台まで反発しているが、低空飛行状態は継続中。本日の焦点は、NY時間の米金利の動きとなろう。トランプ減税に対する期待が再び高まれば、米10年債利回りには上昇圧力が強まろう。そして外為市場では、米ドル買い優勢の展開となろう。
米ドル買い圧力が強まる場合、注視すべき通貨ペアはユーロドルである。現在のユーロ安の主因はドイツの政治リスクにあり、大連立交渉の決裂と再選挙のリスクが消えるまで軟調地合いが続く可能性がある。テクニカル面では、直近安値1.1552を起点とした短期サポートラインおよび21日MAを下方ブレイクし、下落トレンドが形成されている。このタイミングでトランプ減税に対する期待が高まれば、米10年債利回りは2.4%の水準に向け反発しよう。その過程で米独利回り格差が拡大するとで、ユーロドルは「ユーロ売り / 米ドル買い」の両圧力に直面しよう。この場合、次の下値ターゲットは、直近高値1.1960からの50.00%戻しにあたる1.1756レベル。この水準をも下方ブレイクする場合は、61.80%戻しの1.1708レベルを視野に入れる展開となろう。尚、後者の水準は11月21日に相場をサポートし、1.1960上昇の起点となったポイントである。一方、調整のユーロ買戻しの展開となる場合、本日は日足雲の上限を突破できるかどうか、この点に注目したい。
一方、ドル円は米金利と株式の両にらみの展開となろう。米両院協議会での議論進展に対する期待先行相場となる場合はリスク選好相場(=米金利上昇 / 株高)を背景に、今日現在112.83前後で推移している短期レジスタンスラインをトライする展開を想定したい。逆に米金利の低空飛行が続き、株式でも調整地合い継続となれば、下値攻防分岐の転換線を下方ブレイクする可能性を意識したい。後者の場合、次の下値ターゲットは12月1日安値111.41となろう。テクニカル面では現時点での今年最安値107.31を起点とした短期サポートラインの維持が重要な焦点となろう。