Analyst's view
米10年債利回りは、再び2.4%台の攻防へシフトしている。10月下旬にキャップされた2.48%の水準を視野に反発基調を維持出来るかどうか、目先は15日の10月CPIを見極める必要があろう(チャート参照)。ただ米株が反発し、原油先物相場も55ドル以上の水準を維持し続けている外部環境を考えるならば、目先米長期金利が低下する可能性は低い。その可能性を高める材料として注視すべきは、税制改革(=トランプ減税)に対するネガティブな報道だろう。これがなければ、本日の米長期金利は2.4%前後で反発基調の維持が想定される。よって、米ドル相場への低下圧力が強まる可能性も低い。一方、トランプ減税の不透明感を高める報道があれば、米10年債利回りへの低下圧力が強まろう。それに伴い、米ドル相場も上値の重い展開となろう。
米長期金利の変動要因として、本日はFEDスピーカーの言動にも注視したい。日本時間19時にイエレンFRB議長が討論会に出席する。また、22時15分にブラード・セントルイス連銀総裁、翌3時にボスティック・アトランタ連銀総裁による米経済の状況、経済見通しそして金融政策についての講演も予定されている。内容次第で米長期金利が上下に振れる可能性があろう。米ドル相場は米金利の動向に追随しよう。
本日のドル円は、米株高維持、原油先物相場の反発そして米長期金利の2.4%攻防シフトを考えるならば、引き続き113円台を維持する展開を想定したい。一方、5日MAにサポートされたユーロドルは、テクニカル面で日足基準線が推移している1.1716レベルまで反発するかどうか、この点が上値の焦点となろう。一方、下値のそれは1.1550の維持となろう。このレベルにはビッドの観測あり。尚、本日は上述した討論会にドラギECB総裁も出席する。言動次第で先述のチャートポイントをトライする可能性あり。詳細はチャートポイントの分析はテクニカルレポートにて。