Market Analysis
米株をはじめとしたボラティリティは低水準で推移する状況が続き、投資家のリスク選好スタンスに大きな変化は見られない。この状況が続く限り、ドル円も上値トライが継続しよう。テクニカル面ではフィボナッチ・プロジェクション61.80%の水準112.90レベルを上方ブレイクしている。昨日は113.00のオファーに上値がレジストされたが、株高トレンドの維持を考えるならば、7月高値113.16をターゲットに上昇幅の拡大を想定したい。
本日の株式市場、特に米株の動向はFOMCの内容に左右されよう。パウエルFRB(FED)は堅調なファンダメンタルズを土台とした段階的な利上げペースを維持する可能性が高い。FEDによる良好なファンダメンタルズが続くとの予測と利上げペース維持の結果となれば、米株は上値トライの展開となろう。米株高は円売り圧力を高め、ドル円はクロス円にけん引されるかたちで上昇基調を維持しよう。113.00のオファーを完全に突破する場合、次のターゲットは上述した113.16の突破である。突破の鍵は米長期金利にあろう。FOMC後も上昇基調を維持するならば、113.16を突破しよう。だが、8月下旬以降、米長期金利は上昇一辺倒を辿り続けている。それに伴い日米利回り格差も拡大傾向にある。9月以降はこの利回り格差とドル円との相関性が再び高まり、株高とともにドル円の上昇をサポートしてきた。だが、FOMC前に上昇した米長期金利は往々にしてFOMC後に低下するパターンが見られる。期待先行で金利が上昇し(=債券が売られ)、その調整(=債券の買戻し)が入るためである。今回も同様の展開を警戒したい。この場合、株高による円売りと米長期金利の低下に伴う米ドル売りがぶつかり合うことで、113.16前後で上値がレジストされる展開を想定したい。
一方、ユーロドルだが、1.18前後で上値がレジストされ続けている状況を考えるならば、FOMC後の下値トライを警戒したい。反落する場合、テクニカル面での焦点は21日MA(1.1664前後)の維持となろう。一方、上値の焦点は1.1850で変わらず。
【チャート①:ドル円】