Market Analysis
米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは3日連続で陽線が示現し、反発ムードが高まっている。6月FOMC後と同様、9月FOMC後も米ドル買い圧力が高まっている主因は、米国経済の先行きに対するFEDの強気スタンスにあろう。今週は米ドル相場の底堅さを確認する1週間となるだろうが、米ドル高の主因が良好なファンダメンタルズにある点を考えるならば、重要指標データに市場の関心が集まろう。注視すべきは1日の9月ISM製造業景況指数および5日の同月雇用統計となろう。前者の予想値は60.3と、前回の61.3(14年ぶりの高水準)から若干低下する見込みだが、国際貿易摩擦の影響を跳ね除け市場予想以上となれば、米国市場はリスク選好で反応しよう。外為市場ではFOMC後の米ドル買いが継続しよう。一方、後者の予想値はNFPが18.5万人、失業率が3.8%そして平均時給(前年同月比)が2.8%増となっている。注目すべきは平均時給の伸びとなろう。市場予想以上ならば個人消費拡大に対する期待を背景に米国市場はリスク選好相場となろう。米指標データ以外では、新興国通貨の動向も米ドル相場のトレンドを左右する可能性がある。9月のFOMC後、確かに米ドル買い圧力が高まっているが、その米ドル以上に堅調なのが新興国通貨である。先週、主要な新興国株式の上昇率が米株(S&P500)のそれを上回っている状況も考えるならば、現在のリスク選好の状況下で最も買われ易いのは値ごろ感のある新興国アセットである。対新興国通貨で米ドル売り優勢となれば、その影響は他のドルストレートにも波及する可能性があろう。
今週のユーロドルは1.1500-1.1750の攻防を予想。米ドル高を想定するならばビッドが観測されている1.1500トライをより意識したい。一方、米指標データが総じて市場予想を下回り米ドル高圧力が後退するケースでは、21日MA(1.1657)および10日MA(1.1697)の攻防に注目。10日MAの上方ブレイクは1.1750トライのシグナルと想定したい。
ドル円は調整を挟みながら上昇トレンドを維持しよう。目先の焦点は、オファーが観測されている114.00の突破となろう。114円台の攻防へシフトする場合は、115.00を視野に上昇幅の拡大を想定したい。一方、下値の焦点は10日MA(112.89)の攻防となろう。112.50にはビッドの観測あり。
【チャート①:ユーロドル】