Market Analysis
週明けの米国市場は「長期金利の低下 / 株高」となった。外為市場では米ドルのショートカバーが散見されるも、米長期金利の上昇が抑制された状況での反発は限定的。金利がこのまま低下基調を辿るのか、もしくは再び上昇圧力が強まるのか、この点を見極める上で本日は、米東部時間午前10時(日本時間28日午前0時)に予定されているパウエル新FRB議長による議会証言次第となろう。焦点はインフレ見通しに対するパウエル氏の見解にある。FOMC議事録(1月30-31日開催分)では、持続的な景気拡大とインフレ上昇の見通しについてFEDが自信を深めていることを示す内容となった。FOMCでの議論を踏まえ、パウエル氏があらためて米景気のさらなる拡大とそれに伴うインフレの加速に言及するならば、米長期金利は再び3.0%の水準を視野に上昇圧力が高まろう。ユーロドルが短期サポートラインを一気に割り込む米ドル高の展開となれば、その影響は他のドルストレートにも伝播しよう(チャート②)。だが、ドル円は下落する可能性があるため要注意。上述した長期金利と米株の動向を考えるならば、米長期金利の上昇は米株高の調整材料として意識される可能性が高いからだ。また、米ドル高は国際商品市況の下落要因となる。国際商品市況の下落が資源セクターでの売り圧力を強めることで、米株高トレンドの回帰に水を差す展開も警戒しておきたい。
一方、パウエル氏がインフレ見通しについて慎重姿勢を示すならば、米長期金利の低下基調は継続しよう。この場合、米株高と米ドル安の展開を想定したい。対ユーロでの米ドル安継続はドル円の上値を抑制しよう。だが、このケースではリスク回避圧力が強まる可能性は低い。よって円高圧力が高まることもないので、直近安値105.52レベルは維持する展開を想定したい。ドル円のオーダー状況だが、108.00にはオファーが観測されている。一方、106.00から105.70には断続的にビッドの観測あり。一方、ユーロドルのオーダー状況だが、1.2370から1.2400にかけてオファーが並んでいる。1.2200にはビッドの観測あり。