Market Analysis
20日の海外外為市場で、ユーロドルは1.2248まで下落する局面が見られた。直近のユーロ圏指標データは冴えない内容が続き、且つここにきて「第1四半期の景気減速への判断の必要性」と「QE終了時期の示唆は7月会合まで待てる」とのECB関連についての報道もあり、ファンダメンタルズがユーロドルをサポートするという構図が崩れつつある。投機筋のユーロ買い越しが15万1476枚と過去最高を更新し(4月17日までの週、チャート①参照)、さらに米長期金利が節目の3.0%を視野に上昇基調が続いている点も考えるならば、ポジション調整と米独利回り格差の正の相関回帰、もしくはドラギ総裁の会見次第でユーロドルは1.22ブレイクを想定したい。
対ユーロで米ドル買い圧力が高まれば、ドル円のサポート要因となろう。だが、リスク選好相場の継続が108円突破の条件となる。この点を見極める上で今週も米株の動向に注目したい。スマートフォン需要の縮小懸念を背景に米株高のけん引役であるハイテクセクターの上値が圧迫されているが、主要ハイテク企業の決算と見通しが良好ならば押し目買い優勢の展開となろう。ユーロドルの下落と株高維持が同時に発生すれば、ドル円は108円台への攻防シフトを想定したい。一方、対ユーロで米ドル高圧力が高まっても、金利の上昇が米株の下落要因となる可能性がある(チャート②参照)。このケースでのドル円は、105.00-108.00レンジの攻防継続を想定したい。株安要因として注視すべきは①原油価格の上昇、②米長期金利の急上昇、③冴えない米四半期決算(特にハイテクセクター)となろう。①と②の要因は連動している。原油価格が節目の70ドルを突破すれば、米長期金利もその動きに追随し3.0%台の攻防シフトを警戒したい。金利が上昇基調を維持するならば外為市場では米ドル高圧力が高まり、ユーロドルをはじめとした米ドル相場は素直に米ドル高優勢地合いとなろう。しかし、ドル円は「米ドル高圧力vsリスク回避圧力」に挟まれ、上述したレンジ相場が継続しよう。尚、27日の南北首脳会談は内容次第で「株高/株安」どちらに振れてもおかしくない。現状、北朝鮮サイドが核実験と弾道ミサイルの発射中止を表明しており、緊張緩和に向けたムードが醸成されている。週明けの株式市場の反応が注目される。ドル円とユーロドルのチャートポイントは、テクニカルレポートを参照されたし。
【チャート①:ユーロのポジション動向】