Market Analysis
今週はFOMC議事録とFEDスピーカーの講演内容が市場の関心を集めよう。原油高を崩す材料が見当たらない中、これら米国イベントがFEDによる利上げペースの加速観測を市場に意識させることになれば、米長期金利は現在のトレンドを維持しよう。このケースで注視すべきは米株の反応である。ボラティリティ(S&P500 / NSDQ100)は低水準での推移が続いている(チャート①参照)。2月上旬の時と違い、現在までボラティリティがヒステリックな反応を示していない事実は、金利の上昇に対する米株の耐性が強まっているからだろう。しかし先週は上値が抑制された。この状況を考えるならば、今後は「米株が許容できない金利の水準」が重要なテーマとなろう。そのバロメーターとして注視すべき指標が米株のボラティリティであることは、18日のレポート「米株のボラティリティを注視」で指摘済み。金利が上昇し続けてなお米株が上値トライとなる場合、米金利低下の可能性がさらに後退することから、ユーロドルは下値トライの状況が続こう。昨年後半に相場をサポートした1.1715レベルおよびビッドが観測されている1.1700ブレイクを警戒したい。ドル円は111円台の攻防へシフトしよう。テクニカル面で注視すべきは、3月26日安値104.55からのリトレースメント76.40%の水準111.30レベルとなろう。111.20および111.40にはオファーが観測されている。
リスクシナリオとして警戒すべきは、米国イベントを受けた米金利のさらなる上昇がリスク要因として意識されるケースである。ボラティリティが警戒水準の20ポイントを上回る程度ならば、調整相場の域を出ないだろう。米債券市場と米ドル相場でも調整圧力が高まるだろうが、それぞれの低下幅/下落幅は限定的となろう。真に警戒すべきは、リスク回避相場発生の可能性がある25ポイントの水準を突破する展開である(チャート①参照)。このケースでは、「株安→金利低下→米ドル安」を警戒したい。ユーロドルはレジスタンスライン(本日1.1880レベル)および21日MA(本日1.1960レベル)を視野に反発基調を強めよう。一方、米ドル安と株安に直面するドル円は110円割れを警戒したい。
【チャート①:米長期金利 / 米株ボラティリティ】