Analyst's view
米10年債利回りは、大規模税制改革に対する期待を背景に2.4%の水準を突破した(チャート①参照)。今後、税収減を穴埋めするための財源確保を巡り共和党内から造反組が出る可能性はあるが、現時点では期待先行で米金利に上昇圧力が強まっている以上、外為市場では米ドル高を想定したい。特に対円では米ドルの上昇が想定される。株高維持が続く限り、円高圧力が強まる可能性は限りなく低い。よって、ドル円の上値水準は米10年債利回りの上昇レベルに左右されるだろう。上述した税制改革期待に加え、次期FRB議長の人事を巡りジョン・テイラー スタンフォード大学教授の就任観測が高まっていることも短期的な米金利の押し上げ要因となろう。
ドル円の上値攻防分岐は、7月の戻り高値114.50となろう。このレベルにはオファーが観測されている他、オプションバリアの攻防も想定される。だが、「株高 / 米金利上昇」の同時発生ムードが高まっている以上、114.50を突破する可能性がある。大陽線での上方ブレイクとなれば、次のターゲットは115.00となろう(チャート②参照)。このレベルにもオファーの観測あり。一方、下値の焦点は、昨日のNYタイムで相場をサポートした113.50の維持となろう。
ユーロドルは、ECB理事会を前に1.17台を中心とした売り買い交錯相場が想定される。米10年債利回りの上昇とそれに伴う米独利回り格差の拡大を背景に10日MAすら突破できないテクニカルの状況も考えるならば、ダウンサイドリスクを警戒したい(チャート③参照)。